調査役から一言

アニメとか闘病記とかTOEICとか

【アニメ感想】岬のマヨイガ(評価レビュー:B)

映画「岬のマヨイガ」、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

ちょっと映画を観に行ける時間が出来て、ちょうどやっているアニメ映画が本作だったのでそのまま視聴。正直、あんまり評価は高くないです。記事もさらっといきます。

以下総括。

  • 別に悪くはないけど、見所があまりない作品。

もう言いたいことは以上です。

misakinomayoiga.com

 

被災して居場所を失くした少女たちが古民家に集まって暮らしていくお話

内容を話してしまうとネタバレになってしまうので、触りだけ。

本作は「ずっとおうえんプロジェクト 2011+10」という東日本大震災の支援プロジェクトによって作られたものである。被災後に居場所を失くした少女たちがお婆さんに連れられて”マヨイガ”と呼ばれる古民家に集まり暮らしていく、というお話。

全体的にハートフルな雰囲気。伝承などがストーリーの核であり、ジャンルとしてはファンタジーになると思われる。

 

別に悪くないんだけど、見所が無い

本作、支援プロジェクトの一環でもあり、文化庁からお金も出ているのでクオリティは特段問題ない。ただ、常に淡々としており作画などに緩急が無い。

 

キャラクターに関しては如何ともし難い設定である。主人公のユイは父からのDVを受けて家出をしている。8歳のひよりは両親を事故で亡くした後、親戚の家に引き取られるも震災で再度独り身になる。こんな悲しい設定にしなくても、、と思ってしまった。

そんな2人の少女の前に謎の老婆が登場し、実祖母のふりをして2人を引き取り古民家で共同生活を送る。被災直後の緊急事態とはいえ、見ず知らずのババアについていくのはいかがなものだろうか。もっと行政を頼った方が良いのではないだろうか。

 

また上述したように本作は東日本大震災の支援プロジェクトである。ただ、作中では被災した人々の疲弊した心につけこんで陥れようとする輩が出てくるわけだが、震災支援がテーマなのに被災者を更に陥れてどうする。

 

そして、ラストは大蛇とババアの一騎打ちである。こんなシーン、誰が観たいというのか。

 

 

総じて、何を伝えたかったのか良く分からない作品だなと思いました。でもクオリティは悪くないのよ。逆に気になった人は観てみてください。

 

【ラノベ感想】なれる!SE 2週間でわかる?SE入門(評価レビュー:A-)

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門(第1巻)、読了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

本作、まさに私がSEを志して就職活動をしている時に刊行され、ずっと気になっていたのだが、なぜか今まで読んでいなかった。そして無事にSEになって早10年。夜勤明けに軽いラノベが読みたくなり、なんとなく「なれる!SE」を手に取った*1、という経緯である。当時から評価は高かった印象だが、実際読んでみて納得。面白かったです。

以下総括。

  • 分かりやすい設定、軽快な文章で読みやすい。(夜勤明けでも読める)
  • ヒロインと主人公のこそばゆいやり取りにほっこりする。
  • SEでも非SEでも楽しめる。多少の専門用語は理解出来てなくても物語を読む上で支障はない。

nareru-se.dengeki.com

 

ブラックなシステム開発会社に就職した主人公の話

見出しの通りである。新卒で就職活動をしていた主人公が、ある企業のホームページに書いてあった”先輩社員の声”みたいなのに感銘を受けて、その企業に就職。ただ、その先輩社員の声は集客目的の作り話であり、実態はブラック企業だったのだ、という形で物語が始まる。

ブラック企業での働きぶりをコミカルに描きつつ、主人公の成長、同僚たちとのチームワーク、ヒロインとのこそばゆいやり取り、など若干ベタではありつつも面白い要素が詰まっている作品である。

 

本作のSEはネットワークエンジニア

原作者はSE出身であるため、作中に描かれるやり取りや専門用語はリアリティがある。ただ、本作に登場するSEたちはネットワークエンジニアなので、一般的なSEとはやっていることがちょっと異なるかなと思う。

本作の後半にて、ネットワーク関連の移行作業時にトラブルが発生した。その際に顧客とのやり取りがあるのだが、描写は誇張されているものの、実際に似たようなやり取りはある。作業者としてはトラブルシューティングに専念したい、顧客側は調査状況の報告を求めたい、そのせめぎ合い。作中では顧客側が悪者の描写であったが、私はこの顧客側の気持ちが痛いほど分かる。

たぶん、この顧客側はネットワークに詳しくないんだけれども移行の立会をすることになった。トラブルが発生してマネジメントやユーザーから「どうなってんだ」と詰められる。チェックポイントを設けて状況報告を実施。ただ、作業者は「調査中」の一点張り。でも、ユーザーからは「いつ復旧するんだ」と攻めてくる。この板挟み。私は所属会社的に本作でいうところの顧客側になることが多いのだが、こっちはこっちでいろいろと大変なんですよ、ということも伝えたいと思いました。

あと、戻しの考慮をしてなかったとかは論外だけれども、どちらかというと顧客側が”戻し”作業についてはうるさいんじゃなかろうか。作業者(=有識者)から見るとリスクはすごい低い作業なのに、顧客側が過剰なまでの”戻し”作業を準備しろと再三言ってくる、という場面の方がよく見る気がする。

 

 

文章量は多くなく、さっくり読み終えることが出来ました。非常に読みやすくおススメです。全16巻ということなので、第1巻ではまだまだ序章。このまま第2巻読みたいと思います。

 

第2巻の感想ブログはこちら↓

takerururu.hatenablog.com

*1:電子書籍だけど。読みたい、と思ったらすぐに読めるので本当に良い時代になったものだ。

【ブログ】300点台からのTOEIC受験記(その③:勉強開始から3ヶ月経過。TOEIC受験1回目)

「英語」、それは永遠の課題である。

 

学生の頃から英語が苦手で、大学受験は英語科目が不要な大学を選び、社会人になっても英語からずっと逃げ続けていたが、急に思い立ってTOEICの勉強をし始めました。

300点台からのTOEIC受験記をブログに残していこうと思います。

(その③:勉強開始から3ヶ月経過。TOEIC受験1回目)

 

前回の記事はこちら↓

takerururu.hatenablog.com

 

<目次>

 

TOEIC受験1回目までの勉強時間

TOEICの勉強を始めてから約3ヶ月経過。いよいよTOEIC受験1回目である。

それまでの勉強時間は以下。

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スタディサプリ ダッシュボード

スタディサプリでは勉強時間を自動的に記録してくれる。これにより、今までの勉強時間把握や今週の目標時間に対する実績管理などアプリが良しなにやってくれるので非常に役に立ったし、モチベーション向上にも繋がった。

総学習時間は、50時間ちょっと。結構コツコツやってきたつもりであったが、私が育休中にハマっていたペルソナ5の総プレイ時間の半分程度である*1

 

 

TOEIC受験1回目の目標点数

TOEIC受験1回目の目標点数は「400点以上と定めた。

 

 

ひっく!

 

と思われたかもしれない。大抵の人にとっては400点なんぞ大したものではないかもしれないが、私にとっては大きな一歩なのだ。

まず300点台から脱出しよう。半年毎に100点ずつ点数を上げていこう。

恐れることはない、我々*2には伸びしろしかないのだから。

 

ちなみに、TOEICのスコアと勉強時間の目安は以下の通りになっている。

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参考にさせていただいたリンク

https://www.rarejob.com/englishlab/column/20161029/

私は現在300点前後なので、目標の400点台に行くには約200時間ちょっとは必要な計算になる。ただ、実際の勉強時間は50時間程度。なかなか絶望的な数字だが、あくまで目安だし勉強時間より勉強方法が大事なはず。

恐れることは無い、我々にはスタディサプリがあるのだから*3

 

 

TOEIC受験1回目当日

受験当日。

真面目に勉強した上でテストを受けるというのは、新人の時に受けたLPIC-1以来、約10年振りである。合否が出るようなテストでもないのに、なんかちょっと緊張してきた。

会場は自転車で行ける近くの大学。何事も無く会場に着いて試験開始。Part1のリスニングが始まった。

 

 

・・・全然分からん!

 

ちょっと悲しくなるくらいリスニングが分からなかった。1問目が分からず、2問目も分からず、そのあとはグズグズ。Part3,Part4では、問題文が読まれる前に問いの内容を確認せよ、というポイントがあったのだが、それを意識するあまり肝心の問題文を聞くのが疎かになるなど、良いところなし。

若干心が折れかけたのだが、Part5の文法問題では勉強の成果もあって解ける問題があった。

わたし的にはTOEICで「解ける問題がある」ということ自体が嬉しかった。

ただ、Part5をじっくりやっていた結果、Part6,7では明らかに時間が足りず半分くらいはマークを埋める作業のみを実施した。

 

以前までは、ほぼほぼ勘でマークを埋めただけでも350点は取ったことがあるので、さすがに今回は目標の400点は超えたのではないだろうか。

 

 

 

 

次回

1回目のTOEICのスコアが届くはず。↓

takerururu.hatenablog.com

 

 

 

*1:ゲームは金額面でのコスパは良いが、費やす時間の割には得るものが少ない気が最近してきた。

*2:このブログ見ている人はおそらく同志であろう。

*3:決してリクルート社の回し者ではない。

【アニメ感想】サイダーのように言葉が湧き上がる(評価レビュー:A-)

サイダーのように言葉が湧き上がる、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

本作に関して全く前知識が無かったのだが、タイトルに惹かれて視聴した。ネット上の評価はそんなに良くは無かったのだが、私の中の評価はそんなに悪くは無かったです。

以下総括。

  • 作画のタッチがキレイ。パステルカラーと淡い線画で全体的に柔らかい印象。
  • 物語の起伏は少なく展開も乏しい。が、それゆえに安心して観れる作品。
  • ただ、ラストはちょっといただけないかな。

cider-kotoba.jp

 

俳句少年とコンプレックス少女

ちょっとだけ田舎のショッピングモールが舞台。そのショッピングモールで俳句が好きな少年と出っ歯がコンプレックスの少女が出会い、互いのスマホを取り違えるところから物語が始まる。王道的なボーイミーツガール展開であり青春物。

「サイダーのように言葉が沸き上がる」自体が俳句である。サイダーが夏の季語。これは結構粋だなと思いました。

物語自体はショッピングモールと各登場人物の自宅で完結する。青春物であるが、逆に言うとそれ以外のテーマはほとんどない。物語の起伏は少なく展開も乏しいが、流れをかき乱す人はいないので最後まで安心して視聴できる。

 

作画のタッチがキレイ

作画に関しては若干賛否はあるかもしれないが私はかなり良いと思いました。まず背景等がパステルカラーで鮮やか。線画は敢えて掠れたように表現している。それによって淡い感じになり全体的に柔らかい印象を持たせている。

上述したように物語自体も優しい感じなのでこの作画のタッチとうまく調和されている。

 

ただラストはちょっといただけなかったかな

気になったのはラスト。主人公が盆踊り会場に行ってヒロインに愛を叫んだわけだが、地域でやっているお祭りの私物化が過ぎるのではないかと思う。今までにも他の作品でこういうタイプのラストは観るのだが、やっぱりちょっとしっくりこない。物語としては主人公とヒロインが決まっているのでそれらしい舞台を用意する必要はあるのだが、物語と関係の無い人々を巻き込んでしまうのはどうなのかと感じてしまった。

 

 

(完全に想像ですが)おそらくこの作品はそれほど予算は多くなかったはず。その中で場面展開は少なくして予算を抑えつつも*1、画のタッチに特徴を持たせることで視聴者に印象を持たせようとしていたところに制作陣の努力を感じました。この点踏まえて全体的に良かったとは思います。彼女とかと観に行くには最適な作品なのではないかと。

*1:これも完全に想像です。

【アニメ感想】Vivy -Fluorite Eye's Song-(評価レビュー:A)

Vivy -Fluorite Eye's Song-、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

勤勉な同僚*1から良評価であった本作を紹介してもらい視聴開始。私としても良評価。非常に気合の入った作品であり、欠点もほとんど無かったと思います。

以下総括。

  • 壮大なストーリーを1クールでキレイに収めた良作。
  • 1話毎に非常に見応えがある。逆に言うと軽い気持ちでは観れない。
  • 臨場感溢れる白兵戦のアニメーション。

vivy-portal.com

 

AIと人間の戦争を止める100年の物語

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舞台は2061年。自立人型AIとして初めて開発された「ヴィヴィ」が主人公。ヴィヴィの使命は「歌で人を幸せにすること」。その使命によりステージなどで歌う活動をしていたわけだが、そこへ100年後から来たという箱型のAI「マツモト」と出会う。

マツモトから100年後にAIと人間の戦争が起きると伝えられ、それを止めるために協力しろとヴィヴィは持ち掛けられる。ヴィヴィは半信半疑の中、マツモトに協力していくのだった。

ここからヴィヴィとマツモトの100年の物語が始まる。

 

所謂、シンギュラリティ*2によってAIと人間の戦争が起こってしまったというもの。それを食い止めるために過去に戻って未来を変える。本作の核となる要素としては目新しいものは無いし、やり尽くされている印象もある。ただ、「AI」側が未来を変えるというのは珍しい展開だとは思いました。

 

1話毎に非常に見応えのある仕上がりになっているが、逆に言うと見応えがあり過ぎるので気楽な気持ちでは観るのはしんどいだろう。「がっつりアニメ観るぞ!」という気分の時には最高の一品になるはず。

本作、100年という期間、および全世界を巻き込んだ壮大なストーリーではあるのだが、1クールでキレイに収められていたと思います。

 

若干気になったのは、AIなのに非常に感情が豊かというか人間味が溢れている。もう既に人間超えてるんじゃないかと思うほど。それほど高度な技術で作られている一方で、AI同士で直接の対面コミュニケーションを取っていたり、物理的に部屋を物色するシーンがあるなどプリミティブ過ぎる行動が見られた。AIなのだからネットワークを介して記憶の同期などをやればよいのではないのだろうか。この時代の技術レベルとのギャップを感じてしまった。

 

臨場感溢れる白兵戦のアニメーション

本作、非常に気合の入った作品であり、おそらくお金も時間もかなり掛けている印象を持つ。それだけあって映像と音響のコンビネーションがうまい。切羽詰まった状況でのカメラワークや画面切り替え、盛り上げてくる音響により全体から臨場感を強く感じた。

本作の特筆する点として白兵戦のアニメーションが素晴らしい。奥行きを意識した構図・カメラワークであり臨場感が増している。そして、この白兵戦シーンは3Dを使用しておらず、日本アニメーションの良さが前面に出ているものであった。

2話に1シーンくらい「本気作画シーン」があるのだが、このシーンが長い。一般的な作品だと十数秒程度だと思うのだが、本作は数十秒から1~2分ほど続く。

また、動くシーンだけでなく、動かずに”魅せる”シーンもあり、その作画はアニメレベルではなく一枚絵のイラストレベルであった。

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アニメーション制作会社は「WIT STUDIO。「進撃の巨人」を制作してきた会社であり、クオリティの高さも納得である。若干話は逸れるが、WIT STUDIO制作の「GREAT PRETENDER」という作品も非常にクオリティが高くておすすめである。以前、感想ブログを書いたので貼っておく。(当初、NETFLIX独占配信だったせいか、クオリティの割に知名度低いんですよね。)

takerururu.hatenablog.com

 

欠点とまではいかないけれど、ちょっと気になったところ

1つ目は「歌」。

本作は「歌」が大きなテーマではあるのだが、OP曲以外の挿入歌が少ないと感じた。もっとマクロスFのように1~2話で1挿入歌くらいあった方がテーマと合っていたんじゃないかなぁと思いました。

 

(ここから少しネタバレします!)

2つ目は「ラスト」。

アラヤシキがラスボスなわけだが、これまでの作中でアラヤシキに関する情報がほとんど無くて、ラスボスが判明した時に「マジか!」と驚くことも出来なかった。

そして、このラストがちょっと盛り上がりに欠けていたかなぁと思いました。ある程度流れが読めてしまって「一度失敗するんだけど、なんやかんやもう一度戻ってどうにかするんだろうな」と考えていたのだが、その通りになってしまい意外性が無かった。また、「心を込める、とは何か」という作品としての重要なテーマについては、「最後まで明言せずに視聴者側の想像に委ねるんだろうな」と考えていたのだが、これもその通りになってしまい同じく意外性が無かった。

 

ただ、その気になる点も欠点とまでは言えず、全体的に素晴らしい作品であったと思います。特に2期を匂わせるようなことはせず、1クールで確り物語を着地させたことが一番好印象でした。やはりこの点はアニメオリジナル作品の強みだと思いました。ありがとうございました。

*1:閃光のハサウェイを劇場で2回観終わった後、舞台挨拶公演前に3回目を視聴し、公演後に4回目を視聴するというくらい勤勉。

*2:AIが人間の知能を超える時、みたいなもの。

【アニメ感想】竜とそばかすの姫(評価レビュー:A-)

竜とそばかすの姫、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

本作、言わずと知れた細田守の作品である。細田作品は「時をかける少女」「サマーウォーズ」でかなり心を掴まれたが、それ以降はなんとなくしっくり来なかった。今作も正直しっくりは来なかったという評価になってしまった。

以下総括。

  • 全体的に高クオリティ。3Dと2Dがうまく融合している。
  • 現代に即したSNSをメインにしたテーマ。ただ、若干違和感を感じた。
  • テーマを入れ込み過ぎた結果、ちょっとガチャガチャした印象。

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

 

SNSでバズった少女の話

全世界に50億ユーザーが存在する仮想世界「U」。その仮想世界でライブなどが開かれている。主人公の女子高生「すず」は幼い頃のトラウマで大好きだった歌を歌えなくなってしまった。それ以降は歌うことはせずに作曲に精を出す。ただ、仮想世界「U」に参加したところ、そこでは歌が歌えるようになり、曲/歌の良さから急速に人気が出るのだった。

というストーリー。現代らしい”SNSでバズる”ということをメインテーマにしている。

 

SNSでは匿名性が高いものと顔出し/実名出しが前提となっているものがあると思っていて、本作の「U」では匿名性が高い部類に入るものだと思っている。そして、匿名性が高いSNSは本人探しはマナー違反なんじゃないかと考えている。

が、本作ではゴリゴリにユーザー達が本人探しをしている点に若干の違和感を感じた。(私自身、SNSは積極的にやっている方ではないので、もしかしたらこの意見自体がズレているかもしれないが。)

 

全体的に高クオリティ

細田作品でもあり話題性の高いものでもあるのでさすがにクオリティは高かった。特に仮想世界では3Dを多用しており、セルシェーディングがキレイで3Dが得意でない人もそこまで拒否反応は出ないだろう。

特に歌のシーンでは映像のキレイさも相まって非常に盛り上がった。

 

ただテーマを詰め込み過ぎて若干ガチャガチャした心象

本作にネガティブな評価をしている人は上述したSNSに関するコメントが多かった気もするが、私が悪い意味で一番気になったのは詰め込みによるガチャガチャ感であった。

本作のテーマが非常に多い。ざっと上げだしても「過去のトラウマ」「父との確執」「スクールカースト」「幼馴染との恋愛」「SNS/バズり」など盛りだくさんである。

ネタバレになるので明確には記載しないが、作中最後のテーマに関しては重い割に尺も少なく、かつ唐突。このテーマをクリアすることが本作のクライマックスになるのだが、そのラストはSNS上ではなくリアル世界でかなり強引に締めくくった形に感じた。

観終わった時に結局何を観たのかよく分からなくなり、「しっくり来ない」という評価になってしまった。

 

 

映画館で観たのだが、スタッフロールが流れている時に「ブログの構成は最初にクオリティ関連を書いて、最後にテーマがガチャガチャしていた話を持ってきて~」とか考えていた。スタッフロールが終わり明転。その時、小学校低学年くらいの女の子が「面白かったー」と言っていた。それを聞いた時にハッとした。アニメに限らずエンタメって、テーマが~クオリティが~とかではなくて、詰まるところ「面白かった」「面白くなかった」なんじゃなかろうかと。俺はアニメをもっと楽しむつもりでブログを始めたのに、観ながらブログの構成とかを考えていて純粋にアニメを楽しめなくなっているのではないかと。

もっとフラットに、ニュートラルに、アニメを観るようにしていこうと思いました。

【アニメ感想】ふしぎの海のナディア(評価レビュー:-)

ふしぎの海のナディア、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

言わずと知れた90年代前半を代表するアニメの一つである。と言いつつ今まで観たことが無かった。ある日、おしゃべりな美容師さんとアニメの話になり本作の話題が挙がった。これは何かの縁だと思い視聴開始。名作なので評価ランクは設定しません。

以下総括。

  • 約3クールをかけた壮大なストーリーで見応え十分。
  • 制作スタッフ陣の豪華さたるや。総監督:庵野。キャラデザ:貞本。
  • ただ、肝心のナディアがどうしても好きになれない。

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3クールをかけた壮大なストーリー

最初の舞台は1889年のフランス。機械いじりが好きな男の子の”ジャン”はパリ万国博覧会の飛行機コンテストに参加するため機体を整備していた。そんな折、褐色の少女”ナディア”が目の前を通り過ぎた。一瞬で心を奪われたジャンはナディアを追っていく。

というところからストーリーが始まる。ピュアと言ってしまえば聞こえは良いが、実際にあったら若干気持ち悪い展開である。

ナディアは”ブルーウォーター”と呼ばれる謎の宝石を持っており、それを狙った謎の一味に追われる羽目になるのだが、ジャンはナディアを助け出す。そして、ナディアの生まれ故郷であるアフリカまで自作の飛行機で連れていくことを約束する。

まさに”ボーイミーツガール”的な物語である。その後、飛行中に機体が壊れ漂流するも謎の戦艦に助けられる。ここからジャンとナディアの冒険が始まり、この世界の真実を知ることになる。という感じ。

 

約3クール(全39話)をかけて壮大な物語を繰り広げたわけだが、物語の真相が分かる時には謎のキャラが丁寧に説明をしてくれる。39話もあったのだから、もうちょっと見せ方があったのではないかと思う。ただ、全体的に無理なく収められラストも良い感じに着地した印象。さすが総監督が庵野だけのことはあり、練り込まれたストーリーであった*1

 

肝心のナディアがどうしても好きになれない

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正直、この一言に尽きる。

ナディアの生い立ちに関しては本人が望んだものではなかったにせよ、この一連のいざこざはナディアの存在が起因となっているのにその自覚が無さすぎる。

行く先々で文句を垂れ続けているナディア。そして身の丈に合わないこだわりを持ち、それで問題を起こした挙句にジャンに助けてもらったのにも関わらず感謝すらしない。それでもジャンはめげずに何かとナディアに無償の愛を注いでいるというのにぞんざいな扱いを受け続けている。物語の中盤以降、ついにジャンと少し良い感じになったのだが、その状態においてナディアが他の男に惚れるというメインヒロインにあるまじき体たらく。そして、自身の性格の悪さを自覚しているという開き直りっぷり。

いくら褐色娘が好きな私でも目に余る所業の数々。

ただ、そんな状況でもジャンはナディアに健気に尽くすのである。ここまで来るとジャンの異常性すら感じてしまう。

最後の最後までナディアを好きにはなれなかった。

 

 

本作の良心「グランディス一味」

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チームワークの悪いジャンたちとは打って変わり、語らずとも常に目的を共有し進むべき方向を定め一丸となって行動し、かつ常に遊び心を忘れない「グランディス一味」。

この3人を見ていると非常に痛快で爽快な気分にさせてくれる。ややこしい性格の登場人物が多い本作において、この3人が唯一の良心である。

 

 

総じて、ストーリーは面白いんだけどナディアに何回もイライラ・モヤモヤしてしまい、心から楽しめた作品では無かったかな。プラグスーツやBGM、戦闘シーンのやり取りなどエヴァの原点みたいなものが垣間見れるので、その点が気になる人は観ても良いのではないでしょうか。

*1:クオリティを捨てている回も何話かあったが。。