【アニメ感想】ゴールデンタイム(評価レビュー:B+)
ゴールデンタイム、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
会社の同僚から「観てほしい」と数度言われ視聴開始。同僚曰く、”ラストが許せない”とのことでそこに関して私の意見が欲しいとのことだった。つまりは物議を醸すような着地をするのだろう。どのようなベクトルの許せなさなのか、予想しながら観ていきたい。私としては良い感じの作品だったと思う。
以下総括。
- J.C.STAFFらしい安定したそこそこクオリティ
- 全体的に中だるみを感じさせず、ラストに向けたラブコメらしいストーリーの緩急、およびキャラ配置のバランスの良さから総合力が高い
- そして今回お目当てのラストは、、、(後述)
記憶喪失男とストーカー女の話
私立福来大学の新入生である主人公・多田万里と加賀香子を中心とし、その周りの人物も織り成す、大学を舞台とした ラブコメディ。万里は、高校の卒業式の少し後に橋から落下した事故の影響で、高校卒業以前の記憶を失っている。
上記はWikipediaから引用させてもらった。その主人公と友人の前に美人のヒロインが現れるところから物語が始まる。このヒロインの香子は友人(やな)のストーカーであるわけだが、主人公はその2人のやり取りに巻き込まれつつ間を取り持ったりする。そしてうまく事が運ばない香子が不満を零すのだ。ただそれを主人公が気にかけてあげる。
んーなんというか、顔が良かったとしてもそういう人とは距離を取った方が良いぞ、と思ってしまい、早々に視聴継続が厳しくなった。
ヒロインの成長
本作のテーマの中で一番響いたのは「ヒロインの成長」であった。上述したようなストーカー女ではあったが、その後の展開で早々に成長が見られた。これにより視聴継続のハードルが低くなったとも言える。ストーカーを卒業した後もそこそこの恋愛依存体質っぽい流れを汲むことになるが、今までの狭い世界から抜け出し、他者にも興味を持ち、自分がしてあげられることは何か、を不器用ながらも自身で考えて行動していくようになる。
健気なんだよ、彼女は。*1
「とらドラ!」の継承・総合力の高さ
本作、原作者は「竹宮ゆゆこ」。つまり「とらドラ!」である*2。
アニメ製作スタッフもJ.C.STAFFでとらドラ!関連者が多いとのこと。放映当時のとらドラ!旋風はかなりのものがあったので、否応なしに期待が出来る。
物語の肝となるのは主人公の「記憶喪失」であるが、こんなのは昔々に擦りまくった設定であり、若干”安っぽいかな”と思ったのだが、寧ろ一周回って普通に受け入れられた気もする。
全体的な流れとしては、2クールなるも中だるみはあまり感じさせない作りになっている。かつ、基本的に主人公一本で物語を進めていたところは評価したい。人間関係の心理描写は繊細かつ大胆な魅せ方をしていて、キャラクターたちの強い意志を孕んだ言葉の応酬もあり、やはりとらドラ!の流れを汲んだ良さが見えた。および、ラスト数話からアクセルを全開にしてきたこともとらドラ!らしい部分があった。
メインの登場人物については必要最低限に絞っていて、主人公中心の物語の軸がブレることの無いようにしている。このキャラたちはそれぞれ担うこと(例えば、二次元君は物語の調整役など)がはっきりしていて、効果的に役割を発揮している(と思っている)。だからこそ、サブキャラたちの外伝的な話が数話あったらなぁ、とも思った。
そして肝心のラストは…
※以下がっつりネタバレします。
同僚が”許せない”と豪語していたラスト。果たしてどのようなものなのか。
主人公が事故にあって記憶喪失という設定なので、もしや夢オチ?とか思ってしまったのだがさすがにそんなことはないだろうと途中から感じた。では、想定外のヒロインに着地する?*3
私は結末を予測しながら観ていたつもりであるが、序盤は香子なのかリンダなのかは予想付かず、中盤は最終的に記憶を取り戻してリンダという元の鞘に収まる「true tears」方式になるかと思ったが、終盤ではその記憶を取り戻した上で香子を思い出して結ばれる、という流れで満場一致していたと思う。
なので、同僚の言葉から察するに、その満場一致の着地をしないのだろうと思っていた。最終話、その着地に向けて一つ一つクリアしていき、残り時間を意識しながら、「一体…ここからどんなことが起きるんだ…」と盤上がひっくり返ることにヒヤヒヤしながら観ていたわけだが、、、
「・・・あれ?終わっちゃった。」
そう、そのまま終わっちゃったのだ。満場一致の結末に。
あれ?どういうこと?同僚の”許せない”は果たしてどこに…?
これは私の感受性がおかしいのだろうか、とにかくこの真意を確かめるため同僚に会議案内を送った。同僚のように”許せない”と思った人はどういう気持ちだったのか教えてほしい。
という感じではあったが、この作品自体は結構良く出来ていたのではないかと思う。ラストシーンについて、主人公同士・リンダの橋の上でのやり取りに関してはおそらくは様々な解釈(失くしたはずの指輪とか)が出てくるとは思うが、そこは考察好きの人たちにお任せするとして、私としては納得のいく着地であった。
また、久々に堀江由衣を存分に味わえたところも良かったですね。
【アニメ感想】ソードアート・オンライン(評価レビュー:A)
ソードアート・オンライン、略して「SAO」、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
ソードアート・オンライン、というアニメは何かと耳に入っていたのだが、恥ずかしながら未視聴であった。今年配属された会社の新人に、好きなアニメ何?と聞いたら、「SAOととらドラと~」と言っていた。上司である私が観ていないなんて面目が立たないので、急いで視聴開始。長くシリーズ化されているだけあって、良評価・良感想でした。
以下総括。
- 終始安定したクオリティ。分かりやすく惹き込まれやすい設定。
- 主題歌はアニメ界を代表するアーティストが歌っていて、安定感抜群。(LiSA、藍井エイル、春奈るな、戸松遥*1)
- ただラストには違和感を感じる。
現実とゲームがリンクしたデスゲーム
西暦2022年、1000人のユーザーによるベータテストを経て世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」(SAO)の正式サービスが開始され、約1万人のユーザーは完全なる仮想空間を謳歌していた。
しかし、ゲームマスターにして開発者である天才量子物理学者の茅場晶彦がプレイヤーたちの前に現れ、自発的ログアウトは不可能であること、舞台「浮遊城アインクラッド」の最上部第100層のボスを倒してクリアすることだけが脱出する唯一の方法であること、そして死亡した場合には現実世界のプレイヤー自身が本当に死亡するということを宣言した。プレイヤーの1人である少年キリトはこの絶望的な狂気のデスゲームで生き残るべく戦うことを決意し、始まりの街から旅立ってゆく。
しかし、後に「SAO事件」と称されるこのデスゲームは、仮想世界をめぐるさまざまな事件の幕開けにすぎなかった。
Wikipediaから引用させてもらった。上記があらすじなのだが、ラノベらしい分かりやすい設定。かつ、その分かりやすさ故に視聴者は惹き込まれやすい。なんせ自分がゲームの主人公となり、死んだら現実世界でも死んでしまうという設定、中二の時に何度か妄想しただろう。それを大人たちがお金と時間をかけて作ってきたのだ。面白くないわけがない。
安定したクオリティと早い展開
アニメ制作会社は「A-1 Pictures」。「かんなぎ」「WORKING!!」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と作品例を出していたらキリが無いほどだ。特にキャラデザを見ただけでA-1 Picturesだと分かる時もある。本作はA-1 Picturesらしい終始安定したクオリティ。アクションシーンでは敢えて崩す作画で味がある演出をしている。
また、本作は話の展開が早い、と感じた。メインストーリーとして「第100層」まで辿り着く必要があるのだが、数話で何十層も進むため、展開が早く飽きない。てっきり2クール分をSAOで使うのかと思いきや、2クール目からは別ストーリーが始まり、物語の転調をうまく使っている。
主題歌安定感抜群
1クール、2クールでOP/ED共に主題歌が変わるのだが、採用されるアーティストたちはアニメ界を代表する人たちばかりであった。LiSAに始まり、藍井エイル、春奈るな、戸松遥*2。
本作、二期(ソードアート・オンラインII)もあるのだが、このアーティスト陣は継続しており、引き続き期待大である。
1クールと2クールの繋がりが少ない
本作は1クール目と2クール目で物語が変わるのだが、クール間の繋がりが少なかった。というのも、1クール目で死闘を共にした仲間たちがいるのにも関わらず、2クール目では別キャラにフォーカスさせてラストまで引っ張る。
SAO時代の仲間とは現実世界に戻ってからも交流がある描写がある一方で、2クール目のメインストーリーではほとんど出てこない。仲間がピンチなので、かつてのSAO仲間たちが危険を顧みず、別のVRMMOに飛び込み、主人公たちをサポートする、という熱く分かりやすい展開が出来たはずなのに、一切無かった。この点は非常に残念でございました。
作中の違和感
基本的に本作は良評価なんだけど、気になるところはいくつかあった。
まず、ヒロインの「アスナ」である。
SAOで最強のギルド「血盟騎士団」の副団長という立場でありながら、男(キリト)に現を抜かし、団長の前で組織よりも男を優先するような言動。アスナは単なる可愛らしいヒロインではなく、SAO内でクリアを期待されている組織の重役という立場なので、もう少し自覚を持って行動してほしかった。もしくは、そういう立場でありながら男を優先したい自身の心の葛藤などを深堀する描写が欲しかった。
2点目はラストである。もっと言うと、2クール目のオチ、ということではなくて、SAOなどのゴタゴタが終わった後の登場人物達の行動である。SAOでは望まない形で現実世界の自身の命を賭けられて、何度も困難を乗り越え、まさに命からがら脱出に成功。やっと平和な現実世界に戻ったというのに、普通にその後も単なる楽しみ目的でVRMMOを続けている。
そんなにゲームしたいか?!
と突っ込んでしまった。あんだけ痛い目見たんだから、一旦ゲームするの止めようよ、と思うのは私だけだろうか。
ただ総じて良いアニメでした。未視聴の方は観ていただいて損はしないと思います。また、視聴している人が多い作品なので、一度観ておけば話に付いていける点もお得だと思います。
【アニメ感想】鬼滅の刃 遊郭編(評価レビュー:S)
鬼滅の刃 遊郭編、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。
私は鬼滅の刃に特別な想いは無く、「竈門炭治郎 立志編」「無限列車編」はフラットな気持ちで視聴し評価をさせてもらった。ただ、今回の「遊郭編」、すごいものを観させてもらったという感想です。
以下総括。
- 異次元のクオリティ。あまりに違和感の無いセルシェーディング。
- 特に第十話のBパートはTVシリーズアニメで史上最高だと思った。
- 今後のアニメ界は明るい、とさえ感じさせてくれた作品。
過去に上げた感想ブログを貼っておきます。ご興味あればどうぞ。
「竈門炭治郎 立志編」↓
「無限列車編」↓
鬼滅の刃 遊郭編
無限列車での任務を終えた炭治郎たちの次なる任務を描く遊郭編。
鬼殺隊最高位の剣士《柱》の一人、音柱の宇髄天元とともに炭治郎たちが向かうのは、鬼の棲む遊郭。
新たな戦いが幕を開ける。
上記、公式HPから引用させてもらった。無限列車編と同じく、柱の一人と協働して任務を行うというもの。なので、半分主人公は「宇髄天元」である。
この「遊郭」という舞台が良い味を出していた。鬼滅の刃は、もともとビビッドトーンのような鮮やかな色彩を多用している印象。今回の遊郭編では非常に鮮やかな「紫」の使用が多い。遊郭という舞台とこの「紫」が非常によくマッチしていて、艶やかな印象を視聴者に与えている。鬼滅の刃はこのような色使いが特に上手いな、と思う。
異次元のクオリティ
「異次元」、今回の作品のクオリティはそれくらいのものであった。本作の直前に観た「呪術廻戦0」も度肝抜かれるくらいのクオリティであると思ったのだが、本作はTVシリーズでは考えられない、というか劇場版だとしても信じられないくらいのクオリティであると感じている。
本作は「セルシェーディング」を多用している。いわゆる、3Dから2Dっぽくしているのだ。今ではいろんな作品で随所にセルシェーディングを使っているが、やはり3Dの”のっぺり”した動きが残ってしまい、味気ない印象を与えてしまっている。ただ、鬼滅の刃は当初から違和感の少ないセルシェーディングが売りであった。ufotableのお家芸みたいなものだろう。今作は現時点での最高峰と思われる限りなく違和感の少ないセルシェーディングを実現している。
これにより、作品全体のクオリティの底上げ、および安定化が図れているものだと思われる。
第十話のBパートは史上最高
私が言いたいのはこれである。第十話のBパート、史上最高だったと思う。
上述したセルシェーディングを存分に駆使したアクション。彩度の高い鮮やかで艶やかな色彩。アニメでは表現が難しい奥行きのある構図の多用。一気に盛り上げを加速させる演出。すべてが合致して見事なものであった。このBパートだけ15回は観てしまった。
この話の演出・絵コンテは「白井俊行」という人らしい。立志編の第十九話「ヒノカミ」の演出・絵コンテを担当された方のようで、そのクオリティも納得である。調べた限り、担当している作品は少ない印象であり、ここぞというときに起用する人なのかなと思いました。
分かりやすく熱い展開
1期の時から思っていたのだが、鬼滅の刃は「説明口調」が多い。戦いの最中にも関わらず、味方も敵もご丁寧に状況の説明をしてくれる。この説明口調がちょっと苦手で鬼滅の刃自体にあまりのめり込むことは出来なかった。
今作も例外ではない。切羽詰まった状況の中でも、敵味方問わず確りと戦局の説明をしてくれる。私自身は相変わらず苦手なのだが、子供や年配の方では説明してくれた方が状況が把握しやすく観やすいのでは、と思っており、鬼滅の刃が流行った一因でもあるのかなと感じている。
ただ、上述してきたように異次元のクオリティを観せられることにより、視聴者は確変中になるのだ。そのような状況下では説明口調がなんだとか、細かいことは気にしなくなっている。その上、第十話を例に取ると、一度上手くいきかけるも、逆にピンチになるが、仲間が助けに来そうなタイミングで確りと助けにくる、といういつもならちょっと白けてしまうくらいのお約束な展開が確変中だと激アツな展開となる。
その展開が続くものだから、もうテンションが上がりきってしまう。クオリティが何だとか、そういう評論はさておき、最後は力業で惹き込まれてしまった。
もう私は寝ている嫁さんを叩き起こすくらい感動した。
本作を観終わった後、呪術廻戦0も直前に観たこともあって、「日本アニメ界の未来は明るいでぇ」と恥ずかしいことをひとり呟いてしまった。
続編である「刀鍛冶の里編」の制作決定が発表されたようで、次回も大いに期待したい。
【ブログ】300点台からのTOEIC受験記(その⑥:TOEIC受験2回目)
「英語」、それは永遠の課題である。
学生の頃から英語が苦手で、大学受験は英語科目が不要な大学を選び、社会人になっても英語からずっと逃げ続けていたが、急に思い立ってTOEICの勉強をし始めました。
300点台からのTOEIC受験記をブログに残していこうと思います。
(その⑥:TOEIC受験2回目)
前回の記事はこちら↓
<目次>
TOEIC受験2回目までのモチベーション
前回までの記載だと順調に粛々と勉強をしたように見えるが、実際は結構サボっていた。
まず、ちょっと贅沢に整体に行ったら翌日血行が良くなり過ぎたのか激しい頭痛に襲われ数日間寝込む。そうなるとせっかく付いた勉強の習慣が無くなってしまい、かつ寝込んだ衝動で本業のアニメ視聴に精を出し、そのあとはなぜか車を買い替えたくなってしまい、もはやTOEICなんぞ頭の片隅にすら無かった。
無事に(?)ルノーのルーテシアを買うことに決まったので、TOEICの勉強を再開。
(車買い替えの話は2万字くらい書きたいので、別途記事にする。)
そのような期間があったので、1回目の受験から5ヶ月後に2回目の受験をすることになる。
TOEIC受験2回目の勉強時間
TOEICの勉強を始めてから約8ヶ月。TOEIC受験2回目直前の勉強時間は以下になる。
私の英語勉強はスタディサプリ縛りにしているので、この約100時間が勉強時間の全てである。(受験前日に駆け込みで勉強して100時間にしていることがよく分かる。)
前回の勉強時間が50時間であったため、1回目から2回目までの勉強時間は約50時間になる。5ヶ月で50時間である。1日30分も満たない。如何にルノーに現を抜かしていたかが分かる。
TOEIC受験2回目
今回はリスニングに全振りしたので、Part1とPart2が勝負。という意気込みで臨んだ。
そして受験会場にて、リスニングに向けたスピーカーのテストが始まる。
・・・ん??? あれ?なんか違う。。。
何が違うかというと音質と反響である。
勉強時には耳が密閉されるカナル型のイヤホンを使い、自分が一番聞き取りやすい音量で聞いていた。が、会場のスピーカーは音質が悪く若干音割れ気味。そして会場内を音が反響して更に聞き取りづらい。
「あ、これダメかも」と早々に思った。
案の定、思ったよりリスニングは出来なかった。
でも、英語会議では人によってマイクの音質悪くて音割れも多いし、回線状況によっては音飛びもする。むしろ、みんなが静かに聞く前提の状況において、このTOEICのリスニングは聞き取りやすい状況なのだろう。
これは更なる精進が必要である。
あえて音質を悪くしてリスニングをする、という機能があっても面白いかもしれない。
というわけで、今回も若干の不完全燃焼で終わるも、さすがに前回よりかは出来たはず。
次回
2回目のTOEIC受験結果。
【アニメ感想】劇場版 呪術廻戦 0(評価レビュー:S)
劇場版 呪術廻戦 0、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
2021年度、TVシリーズで一番流行ったであろう「呪術廻戦」の劇場版である。以前このブログでTVシリーズの記事を書いたが、高い評価をした。この劇場版も確りとしたクオリティで仕上げてくるのだろうなと思い期待していたのだが、期待以上だった。もう久々に度肝抜かれた感じがしました。このブログを始めてからは一番高い評価・感想とさせていただきます。
以下総括。
- 素晴らしいの一言。アニメ史に残る作品だと思いました。
- 作画、構成、声優、どれを取っても隙の無い超一級品。
- 随所に制作陣の熱い想いが込められており、作品の「圧」を感じた。
TVシリーズの感想ブログは以下↓。ご興味あればどうぞ。
「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」
そして、2021年12月24日。『呪術廻戦』は映画となって新たなステージを迎える。
劇場版で描かれるのは、既刊単行本の中でも人気のストーリーの一つである『呪術廻戦』の前日譚、「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」。
通称“0巻”。『劇場版 呪術廻戦 0』
―これは、呪術廻戦の原点の物語であり、“愛と呪いの物語”。
公式HPから引用させてもらったが、アニメで言えばTVシリーズの前日譚であり、名前だけは出てきた「乙骨憂太」が主人公の物語である。
まず伝えたいポイントとして、本劇場版の公開日は「12月24日」ということ。これは作中で発生するイベントが12月24日であることに起因する。新エヴァのように何度も公開が延期され、そもそもいつ公開されるのか目途が付かない作品もある中、予定通り公開日に合わせ、かつクオリティは全く妥協点を感じさせない作り。この時点でエンターテイメントとして最高峰の仕上がりであると思いました。
声優「緒方恵美」の凄さ
本劇場版の主人公「乙骨憂太」の声優は”緒方恵美”である。言わずもがな、エヴァのシンジくんである。
ここは結構評価が分かれるところだが、私は非常に良かったと思う。もちろん、最初は「シンジやなぁ」と思いながら観ていたが、複雑な心情を持つ思春期の少年を演じさせたら緒方恵美の右に出るものはない。むしろ演技が上手すぎて途中からドン引きするくらいであった(良い意味で)。
まぁ最初っから最後までシンジっぽいと言えばそうなのだが、シンジを意識するのはおっさん*1だけであって、今の10代はピュアに緒方恵美の演技を感じられるのではなかろうか。
でもそのうち、その10代達は、緒方恵美が別キャラを演じた時に「これ、乙骨やなぁ」って言う気もする。
「劇場版」という枠の使い方の上手さ
本作は「劇場版」という枠でやったことが非常に良かったと思う。
主人公である「乙骨憂太」はキャラ設定的に主人公枠に近い。本人自身は意識していないが、特別扱いをせざる得ない設定。ここは虎杖も同じである。TVシリーズで乙骨を出してしまうと虎杖の主人公枠を食ってしまいそうだが、劇場版という枠を使い、名実ともに主人公をやらせたところが上手かったと思う。これにより、今後TVシリーズで乙骨を出しても、劇場版の時は主人公だったキャラ、という形で馴染むはず。
あとはストーリーの構成と劇場版の相性の良さが挙げられる。
まずストーリーの分かりやすさ。乙骨と幼馴染の里香ちゃん。交通事故で亡くなってしまう里香ちゃんに呪われる乙骨。そして物語のオチは、ほにゃらら。と非常に理解がしやすい。劇場版だと難解な設定を無理やり収めようとするので、何回か観ないと理解が出来ない作品も多いのだが、本作は一回観ればすんなり理解が出来る。
虎杖の場合、”宿儺の封印から1000年間生まれなかったとされる「宿儺の器」となり~”とかの設定になるのだが、これを劇場版で出されても困るのだ。
最高峰のアニメーション
昨今(2021年前後)の作画が凄いアニメとしては、呪術廻戦と鬼滅の刃だと考えているが、この2つは趣向が異なる。鬼滅の刃は3Dから2Dに落とすセルシェーディング*2を多用している(と思っている)だが*3、呪術廻戦はセルシェーディングを多用せずにアニメーションを作製している。これにより、非常に味のある躍動感を持ったアニメーションに仕上がっている。
特に本作の後半、乙骨と夏油の対峙するシーンについては、制作陣の熱い想いを感じた。スタッフ一丸となって、本作でアニメ界の天下を取りに来ているような作品の「圧」を感じ、感動シーンでもないのに涙が出てきてしまった。(いや、うまく言語化出来ないのだが、観ていて圧倒されたのである。)
ただ、主題歌がなぁ。。
本作の主題歌を歌っているのは「King Gnu」である。別にKing Gnuが悪いわけではないんだけれども、いかんせん印象に残りづらい。ましてやエンディングのスタッフロールで2曲続けて流しているものだから、どっちが「逆夢」?「一途」?、となり記憶が定着しない。この点が唯一残念だったかな。
(逆に鬼滅の刃はこの点で視聴者の心を確りと掴んでいると思う。)
でも総じてアニメ史に残る最高峰の作品であることは間違いない。まだ観ていない人は是非とも観てほしい。
【アニメ感想】Dr.STONE 第二期(評価レビュー:B+)
Dr.STONE 第二期、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
2019年に第一期が放送された「Dr.STONE」の第二期である。放送時期は2021年。2021/12時点で第三期の制作も決定されていて、安定した人気を持っているようだ。ただ、私としては若干失速したかなという感想・評価です。
以下総括。
- 第一期と同様に安定したクオリティ。
- 壮大な設定の割にしょぼいストーリー展開。
- ただ、ターゲット層を低くするためのものであれば納得。
Dr.STONE 第一期の感想ブログは↓です。ご興味あればどうぞ。
全人類が石化された世界
超人的な頭脳を持つ根っからの科学少年・千空と体力自慢でまっすぐな性格の親友・大樹。幼馴染の杠に、長年片想いし続けている大樹は、千空にからかわれつつも、ついに杠への想いを告げようとする。しかし、突如、空がまばゆい光で覆われ、世界中の人類が一瞬にして全て〝石化〟してしまう謎の現象が起こる……!!それから約3700年後――。文明が全て消えた〝石の世界〟(ストーンワールド)〟で、石化から解放された千空と大樹は再会を果たし、ゼロから文明を作り出すことを誓う!
公式HPから引用させてもらったが、上記が物語の始まりである。本作は二期なので、一期の地続き。未視聴の方は一期から見ましょう。
安定したクオリティ
アニメ制作会社は「トムス・エンタテインメント」。ルパン三世や名探偵コナン、アンパンマンなどを制作している老舗。深夜アニメや最近の作品にはあまり手を出していない印象なのだが、老舗らしく安定したクオリティに仕上げてきている。
ただ、奇をてらった演出は無く、”真面目”に作っているという印象を受けた。この辺も老舗らしい。
壮大な設定の割にしょぼいストーリー展開
全人類が石化されて、3700年が経った世界が舞台、という設定。かつ、復活した主人公は一から科学で文明を築いていくというコンセプト。非常に壮大な世界観である。
一期の前半、この状況下で一番怖いのは感染症であり、まずは石鹸を作るという、まさに一から文明を作っていくための地に足の着いた展開。科学だけでなく、サバイバル的な要素もあり、興味深く視聴が出来た。
ただ、獅子王司という主人公と方向性の異なるキャラを登場させた結果、人vs人の構図になってしまい、メインの科学は対人戦闘用にシフトしてしまった。
ここは好みが分かれるところだと思うが、個人的にはこの状況下において生き抜く術を獲得するための科学展開をもう少し見てみたかった。
そして気になるのは「しょぼい」展開である。壮大な設定で、難解な科学を駆使する、その割には主人公たちが行う作戦はしょぼい。
(以下、少しネタバレします)
特にゲンが有名なアーティストの声真似をして敵陣を惹き込むという展開。稚拙な表現で恐縮だが、「え、なにそれ」と思ってしまった。あんだけ精巧な科学の話をした後に、最終的な作戦が声真似とはこれ如何に。
ただ、ターゲット層を低くするためのものであれば納得
上述したように、ストーリー展開は気になる部分があった。ただ、もしかしたらこの作品自体がターゲット層を低めに設定しているのではないかと感じた。
キャラデザに関しては賛否両論が出そうな奇抜なもの(特に主人公の千空)。大して視聴者がハマっていない謎の口癖をずっと使うキャラ(特にゲン)。科学の話は精巧だが、しょぼい展開の多さ。そして、アンパンマンなどのトムスがアニメ制作会社。
総じて、小学生低学年でも楽しめるような作りにしているのではないかと思った。
それであれば「しょぼい」展開ではなく、「理解しやすい」展開という解釈が出来るので、妙に納得がいった。
この二期、2クールだと思って視聴に足踏みしていたのだが、実は1クールの全11話である。なので、二の足踏んでいる人も少し気軽に視聴してみても良いんじゃないかと思いました。
【膵臓腫瘍(SPN)】嫁さんの膵臓に腫瘍が見つかった(その⑫:再退院から1年2ヶ月経過)
2019年末に受けた人間ドックで嫁さんの膵臓に腫瘍が見つかった。
(その⑫:再退院から1年2ヶ月経過)
自分自身の整理のため、あと配偶者の立場から見た状況を書くので、同じ境遇の人の何かしらの参考になればと思う。
病名は「SPN:Solid pseudopapillary neoplasm」である。日本語名は無いっぽい。比較的若い女性に出来やすいそこそこレアな病気らしい。悪性率は低く、今のところ良性とは言われている。(初回診断当時は)痛みなどの自覚症状は無し。
前回記事はこちら↓
再退院から約1年2ヶ月経過。
正直、もう書くことは無い。
ただ、「完治」では無いらしい。
<目次>
【家族構成】
一応、家族構成を書いておく。一般的な4人家族。全員、今まで大病を患ったことはない*1。
- 俺:アラサーSE
- 嫁さん:アラサー専業主婦
- 娘:5歳児。元々なのか幼稚園組だからなのか、おてんばで何も言うことを聞かない
- 息子:2歳児。昼も夜もとにかく泣く。離れると泣く。かと言って抱っこすると肩を噛んでくる。んで下ろすと泣く。
【ざっくり時系列】
2021/12下旬(再退院:1年2ヶ月目)
気が付いたら2021年末。2020年は膵臓で始まり膵臓で終わった形であった。ただ、2021年、夫婦間で膵臓の話題はほとんど出なかったと思う。
手術から1年半弱くらいになるのだが、嫁さんのお腹を見る度に壮絶な手術だったんだろうなと思う。たまに傷跡が痒くなるらしい。嫁さんは手術してからお酒を断っている。元々そこまでお酒を飲むタイプでは無かったのだが、たまにノンアルビールを飲んでいて、「ビール飲みたいなぁ・・・」と呟いている。
実際に医師から「絶対禁酒」と言われているわけではないらしい。ただ、真面目な嫁さんなので、完治するまで飲まない、と決めているっぽい。
では、「完治」しているのか。
数か月前の定期健診で担当医師に聞いてみた。
お酒のこともあるが、今回の件で”保険”のありがたみを強く感じたので、いま加入していないガン保険に入ろうと思ったのだ。ただ、手術歴があると、「完治」していることが加入の条件、とのこと。それもあって「完治」しているのが重要なのである。
医師 「完治?してるんじゃない。」
嫁さん「あ、よかった。保険の加入で完治していることが条件だったので。」
医師 「あ、そういう意味?・・・んー、、それだと完治って断言しづらいというか。」
なんやねん
やっぱりオフィシャルに「完治」と医師判断するのは難しいらしい。一番苦しめられた膵液漏は再発していないのでこれ自体は完治。ただ、大元のSPNが完治したのか、と言われると摘出はしたものの、完治の基準が曖昧なのだろう。
おそらく、数年後の最後の定期検診が終わったら完治なのだろうか。
本当はこの完治宣言を受けてこのブログも最終回にしようかと思ったのだが、なかなか難しそうだ。
ただ、前回の記事から8ヶ月も経っており、闘病ブログで更新が途絶えると読み手にソワソワさせてしまうような気もして、本記事をアップデートした。
なので、今後も特段書くような出来事は無さそうだが、年に一回くらいのペースで更新はしようと思う。
【次回】
では、何もなければ次回は2022年末くらいに。
その⑬に続く。
*1:別記事で私の顔面麻痺について書いているが、私的大病はそれ。