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【アニメ感想】劇場版 呪術廻戦 0(評価レビュー:S)

劇場版 呪術廻戦 0、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

2021年度、TVシリーズで一番流行ったであろう「呪術廻戦」の劇場版である。以前このブログでTVシリーズの記事を書いたが、高い評価をした。この劇場版も確りとしたクオリティで仕上げてくるのだろうなと思い期待していたのだが、期待以上だった。もう久々に度肝抜かれた感じがしました。このブログを始めてからは一番高い評価・感想とさせていただきます。

以下総括。

  • 素晴らしいの一言。アニメ史に残る作品だと思いました。
  • 作画、構成、声優、どれを取っても隙の無い超一級品。
  • 随所に制作陣の熱い想いが込められており、作品の「圧」を感じた。

jujutsukaisen-movie.jp

 

TVシリーズの感想ブログは以下↓。ご興味あればどうぞ。

takerururu.hatenablog.com

 

「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校

そして、2021年12月24日。『呪術廻戦』は映画となって新たなステージを迎える。

劇場版で描かれるのは、既刊単行本の中でも人気のストーリーの一つである『呪術廻戦』の前日譚、「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」。
通称“0巻”。

『劇場版 呪術廻戦 0』
―これは、呪術廻戦の原点の物語であり、“愛と呪いの物語”。

公式HPから引用させてもらったが、アニメで言えばTVシリーズの前日譚であり、名前だけは出てきた「乙骨憂太」が主人公の物語である。

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まず伝えたいポイントとして、本劇場版の公開日は「12月24日」ということ。これは作中で発生するイベントが12月24日であることに起因する。新エヴァのように何度も公開が延期され、そもそもいつ公開されるのか目途が付かない作品もある中、予定通り公開日に合わせ、かつクオリティは全く妥協点を感じさせない作り。この時点でエンターテイメントとして最高峰の仕上がりであると思いました。

 

声優「緒方恵美」の凄さ

本劇場版の主人公「乙骨憂太」の声優は”緒方恵美”である。言わずもがな、エヴァのシンジくんである。

ここは結構評価が分かれるところだが、私は非常に良かったと思う。もちろん、最初は「シンジやなぁ」と思いながら観ていたが、複雑な心情を持つ思春期の少年を演じさせたら緒方恵美の右に出るものはない。むしろ演技が上手すぎて途中からドン引きするくらいであった(良い意味で)。

まぁ最初っから最後までシンジっぽいと言えばそうなのだが、シンジを意識するのはおっさん*1だけであって、今の10代はピュアに緒方恵美の演技を感じられるのではなかろうか。

でもそのうち、その10代達は、緒方恵美が別キャラを演じた時に「これ、乙骨やなぁ」って言う気もする。

 

「劇場版」という枠の使い方の上手さ

本作は「劇場版」という枠でやったことが非常に良かったと思う。

主人公である「乙骨憂太」はキャラ設定的に主人公枠に近い。本人自身は意識していないが、特別扱いをせざる得ない設定。ここは虎杖も同じである。TVシリーズで乙骨を出してしまうと虎杖の主人公枠を食ってしまいそうだが、劇場版という枠を使い、名実ともに主人公をやらせたところが上手かったと思う。これにより、今後TVシリーズで乙骨を出しても、劇場版の時は主人公だったキャラ、という形で馴染むはず。

 

あとはストーリーの構成と劇場版の相性の良さが挙げられる。

まずストーリーの分かりやすさ。乙骨と幼馴染の里香ちゃん。交通事故で亡くなってしまう里香ちゃんに呪われる乙骨。そして物語のオチは、ほにゃらら。と非常に理解がしやすい。劇場版だと難解な設定を無理やり収めようとするので、何回か観ないと理解が出来ない作品も多いのだが、本作は一回観ればすんなり理解が出来る。

虎杖の場合、”宿儺の封印から1000年間生まれなかったとされる「宿儺の器」となり~”とかの設定になるのだが、これを劇場版で出されても困るのだ。

 

最高峰のアニメーション

昨今(2021年前後)の作画が凄いアニメとしては、呪術廻戦と鬼滅の刃だと考えているが、この2つは趣向が異なる。鬼滅の刃は3Dから2Dに落とすセルシェーディング*2を多用している(と思っている)だが*3、呪術廻戦はセルシェーディングを多用せずにアニメーションを作製している。これにより、非常に味のある躍動感を持ったアニメーションに仕上がっている。

特に本作の後半、乙骨と夏油の対峙するシーンについては、制作陣の熱い想いを感じた。スタッフ一丸となって、本作でアニメ界の天下を取りに来ているような作品の「圧」を感じ、感動シーンでもないのに涙が出てきてしまった。(いや、うまく言語化出来ないのだが、観ていて圧倒されたのである。)

 

ただ、主題歌がなぁ。。

本作の主題歌を歌っているのは「King Gnu」である。別にKing Gnuが悪いわけではないんだけれども、いかんせん印象に残りづらい。ましてやエンディングのスタッフロールで2曲続けて流しているものだから、どっちが「逆夢」?「一途」?、となり記憶が定着しない。この点が唯一残念だったかな。

(逆に鬼滅の刃はこの点で視聴者の心を確りと掴んでいると思う。)

 

 

でも総じてアニメ史に残る最高峰の作品であることは間違いない。まだ観ていない人は是非とも観てほしい。

 

*1:学生時代からアニメを観てきた30代は十分におっさんであろう。我々おっさんは10年以上前の作品はむしろ新しい方に脳内分類されるが、10代にとっては幼い時に流行ったよく知らない作品なのだから。

*2:トゥーンレンダリングとも言う

*3:鬼滅の刃遊郭編~を観たのだが、これはこれで度肝抜かれた。こんなに違和感の無いセルシェーディングがあったのか、と。