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【アニメ感想】竜とそばかすの姫(評価レビュー:A-)

竜とそばかすの姫、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

本作、言わずと知れた細田守の作品である。細田作品は「時をかける少女」「サマーウォーズ」でかなり心を掴まれたが、それ以降はなんとなくしっくり来なかった。今作も正直しっくりは来なかったという評価になってしまった。

以下総括。

  • 全体的に高クオリティ。3Dと2Dがうまく融合している。
  • 現代に即したSNSをメインにしたテーマ。ただ、若干違和感を感じた。
  • テーマを入れ込み過ぎた結果、ちょっとガチャガチャした印象。

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

 

SNSでバズった少女の話

全世界に50億ユーザーが存在する仮想世界「U」。その仮想世界でライブなどが開かれている。主人公の女子高生「すず」は幼い頃のトラウマで大好きだった歌を歌えなくなってしまった。それ以降は歌うことはせずに作曲に精を出す。ただ、仮想世界「U」に参加したところ、そこでは歌が歌えるようになり、曲/歌の良さから急速に人気が出るのだった。

というストーリー。現代らしい”SNSでバズる”ということをメインテーマにしている。

 

SNSでは匿名性が高いものと顔出し/実名出しが前提となっているものがあると思っていて、本作の「U」では匿名性が高い部類に入るものだと思っている。そして、匿名性が高いSNSは本人探しはマナー違反なんじゃないかと考えている。

が、本作ではゴリゴリにユーザー達が本人探しをしている点に若干の違和感を感じた。(私自身、SNSは積極的にやっている方ではないので、もしかしたらこの意見自体がズレているかもしれないが。)

 

全体的に高クオリティ

細田作品でもあり話題性の高いものでもあるのでさすがにクオリティは高かった。特に仮想世界では3Dを多用しており、セルシェーディングがキレイで3Dが得意でない人もそこまで拒否反応は出ないだろう。

特に歌のシーンでは映像のキレイさも相まって非常に盛り上がった。

 

ただテーマを詰め込み過ぎて若干ガチャガチャした心象

本作にネガティブな評価をしている人は上述したSNSに関するコメントが多かった気もするが、私が悪い意味で一番気になったのは詰め込みによるガチャガチャ感であった。

本作のテーマが非常に多い。ざっと上げだしても「過去のトラウマ」「父との確執」「スクールカースト」「幼馴染との恋愛」「SNS/バズり」など盛りだくさんである。

ネタバレになるので明確には記載しないが、作中最後のテーマに関しては重い割に尺も少なく、かつ唐突。このテーマをクリアすることが本作のクライマックスになるのだが、そのラストはSNS上ではなくリアル世界でかなり強引に締めくくった形に感じた。

観終わった時に結局何を観たのかよく分からなくなり、「しっくり来ない」という評価になってしまった。

 

 

映画館で観たのだが、スタッフロールが流れている時に「ブログの構成は最初にクオリティ関連を書いて、最後にテーマがガチャガチャしていた話を持ってきて~」とか考えていた。スタッフロールが終わり明転。その時、小学校低学年くらいの女の子が「面白かったー」と言っていた。それを聞いた時にハッとした。アニメに限らずエンタメって、テーマが~クオリティが~とかではなくて、詰まるところ「面白かった」「面白くなかった」なんじゃなかろうかと。俺はアニメをもっと楽しむつもりでブログを始めたのに、観ながらブログの構成とかを考えていて純粋にアニメを楽しめなくなっているのではないかと。

もっとフラットに、ニュートラルに、アニメを観るようにしていこうと思いました。