【アニメ感想】乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(評価レビュー:B)
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X、通称「はめふらX」、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
本作、2020年春に放映していた「はめふら」の2期である。1期は私の中ですこぶる高評価であり、この2期も期待していた。が、結果は何とも言えない形となってしまった。
以下総括。
- 1期で作品としてやりたいことは全部やった結果、本作は何を目的としていたのかが最後まで分からなかった。
- 全体的にそこまでひどいわけではないが、1期が良かっただけに落差が激しい。
- もはや大して中身の無い「ファンディスク」である。
ちなみに、非常に評価が高かった1期のレビュー記事は↓になります。ご興味あればどうぞ。
「破滅フラグ」を回避した後のお話
本作は異世界転生もの。転生元世界でやっていた乙女ゲームの世界、さらに厄介なことに乙女ゲーム内の破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまう。ただ、主人公はある程度この乙女ゲームをやっていたため「過程」と「結果」は知っている。そのため、その過程を辿らず、結果を変えるために奔走する物語。
1期のレビュー記事から引用させてもらったが、そもそものあらすじは上記になる。1期のラストでは無事に「破滅フラグ」を回避することに成功した。んで、本作はその後の物語である。
1期で作品としてやりたいことは全部やったはずで、だからこその高評価であった。その上での2期なので、どういう切り口で描いてくるのかが気になっていた(半面、不安でもあった)。
そもそもとしては全体的に分かりやすい設定であり、「破滅フラグを回避する」というゴールが明確な中、カタリナの人柄に各キャラも視聴者も惹かれていき、みんなが幸せになっていく過程をコミカルにテンポ良く描く、という本作品の良さがあった。
ただ、同様の方針ではあるものの、既に破滅フラグを回避し物語の核を失った2期。目指すところが分からない中で今までの流れを継承しても、感想としては「退屈」となってしまった。
2期のストーリーは特段何かが始まるわけでもなく、改めて各キャラがカタリナに惹かれていった背景などを深堀している。別に良いんだけど、わざわざ2期まで作って描く必要があったのだろうか。一時期流行った各キャラの性転換などの描写もあり、もはやこれは「ファンディスク」だなと思ってしまった。
一番肝心な「主人公の良さ」が失われた
「はめふら」という作品の一番の良さは主人公であるカタリナのキャラクターであると考えている。上述したようにカタリナの人柄によって、他キャラだけでなく視聴者までも幸せな気持ちにしてくれた。ただ、2期では”ここぞ”という時に頼りなく、考え無しの行動が目立ち、周りがフォローをすることで何とか収まる、というシーンがあり、主人公の良さが失われてしまったようだった。
1期で時間を掛けて構築した、主人公が周りに好かれている、という設定を2期で安っぽく消費しているようであまり良い印象を持てなかった。
(でも悪役の表情は相変わらず良いよね↓)
何とも言えない着地
そこそこ酷評をしてきたが、挽回するならラストの着地の仕方だと思っていた。が、その着地も何とも言えない形となってしまった。
ラストはキースにフォーカスが当たるのだが、なぜキースに?という疑問が沸きつつも、「ああ、この物語を終わらせるつもりはないのだな」と感じてしまった。そのラストは良くある話でストーリーもキャラ設定も着地も安っぽく、ましてやガッツリ続編をやるつもりの描写もあり、非常に残念であった。
また、多少アクションシーンもあったのだが、視聴者は本作にアクションを求めていないし、大してクオリティも高くないしで良いところなし。
せっかく1期が良かっただけにまるっと残念。もう少し丁寧に作っていただきたかった。また、その続編は映画化がされるとのこと。うん、いや、観るんだけどさ。