調査役から一言

アニメとか闘病記とかTOEICとか

【アニメ感想】宇崎ちゃんは遊びたい!(評価レビュー:B-)

宇崎ちゃんは遊びたい!、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

軽いラブコメ1クールアニメを観たいなぁと思い、宇崎ちゃんに辿り着いた。ネット上の評価はまずまずなところ。実際観た結果もまずまずな評価。

以下総括。

  • ゆるいラブコメ仕事終わりなどの頭空っぽにしたい時におススメ。
  • 展開が少ないため、連続視聴はちょっとキツイ。
  • ヒロインのピュアさによる、”こそばゆい”ところをもっと観たかった。

本作の第10話では、鳥取県とのコラボをしており、主人公たちが鳥取の名所観光をしている。1話完結のラブコメアニメでは、こういう地域密着型コラボを積極的にやっていって、アニメ業界と地域の活性化を図っていくって良い取り組みだと思うんだよね*1

uzakichan.com

 

「ぼっち」が好きな主人公とウザ絡みするヒロイン

タイトル的に、てっきり、主人公の前に巨乳のかわいい女の子がお節介を焼いていく、というアニメだと思っていた。いや、実際そうなんだけど、その背景には、高校の先輩である主人公が”ぼっち”であることにヒロインが気付き、あえて明るくウザ目の絡みのお節介を焼く、という健気さがあるのだ。

この健気さを理解して観ると、すごい微笑ましいやり取りに感じてほっこりする。

 

アニメ制作会社は「ENGI」。正直、存じていない。2018年設立とのことで、これから、という会社なのだと思う。

 

展開が少なく、連続視聴はキツイ

1話完結のゆるいラブコメなわけだが、2~3話くらい見ると、本作で言いたいことは視聴者に伝わる。大抵のラブコメでは、そのあと新キャラを出したりして新たな展開を作るのだが、本作は少人数で話が終始する。かつ、こういうアニメは物語が完結(=恋の成就)をすることは無いので、毎回お約束的な展開となる。テンポも良くない部分も散見され、連続視聴はちょっとキツかった。

ただ、仕事終わりとかに癒しを求めて1話観る分には最適なアニメだと思う。

 

”こそばゆい”展開をもっと観たかった

このアニメは、基本的にウザ絡みするヒロインが主導権を握る。ただ、”ぼっち”の主人公に友人がいたことに気付いた時などに見せるヒロインの動揺ぶりは見ものであった。

わかりやすいギャップ効果であり、観ているこちらは”こそばゆい”のだ。この”こそばゆい”展開をもっと観たかった。とある系でいうところの上条さん御坂美琴のやり取りのような”こそばゆさ”を目指してほしい。

 

 

たぶん、二期あるだろうなぁ、と思っていたのだが、正式に二期制作が決定した模様。次は週一で1話ずつ観たいと思います。

*1:この第10話が面白かったかどうかは別にして。

【アニメ感想】炎炎ノ消防隊 弐ノ章(評価レビュー:-)

炎炎ノ消防隊 弐ノ章、視聴断念。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

炎炎ノ消防隊 弐ノ章、つまり二期である。一期の評価は俺の中で高かった。なので、本作の二期も最後まで普通に観るつもりだったのだが。。。

以下総括。

  • 一期と遜色のないクオリティ。スタッフの気合も感じる。
  • 相変わらずキャラが魅力的。OPも一期同様に疾走感がすごい。
  • ただ、4クールかけて物語が完結しないとか、耐えられなくなってしまった。

本作は4話で視聴断念。決して、この作品が悪いわけではない。感想は、さくっといかせていただきます。

fireforce-anime.jp

 

ちなみに、一期の感想ブログ記事は↓

takerururu.hatenablog.com

 

炎炎ノ消防隊」の二期

一期の放送が終わった半年後の2020/7から二期の放映開始。半年しか経っていないので、記憶がある程度新鮮なまま視聴することができた。

一期同様に全体的にクオリティは高い。第1話から気合が入っている。隊員たちの自己紹介話だが、キャラの魅力を余すところなく引き出しつつ、躍動感のあるアニメーション。この作品にかけるスタッフの熱量を感じた。

安心して安定した作品を観られると思っていたんだ。

 

4クールかけて物語が終わらないとか耐えられない

二期の3話を観ながら、ふと思った。「これ、原作終わってんのかな?」

終わってなかった。一期、二期ともに2クールなので、合計4クール。つまり、4クールかけても、この物語は終わらないのか*1

そう感じた瞬間、観ていた第3話に対して、急に身が入らなくなってしまった。

少年漫画らしく、次々と新キャラや新展開が続く。この作品とは長く付き合っていく必要がある。原作漫画ならまだしも、アニメでは確りと物語の最終回まで映像化してくれるかは分からない。

流行り廃りが猛烈に移り変わるこのご時世に、4クールかけて物語が終わらないとか耐えられない。どんなに作品のクオリティが高くても、作品自体に飽きが来るのではないか。

 

そんなことを考えていたら、急に色褪せてしまい、第4話にして、観るのを止めてしまった。決して、この作品が悪いわけではないのだ。ただ、結末までの視聴限界は、最大で4クールなのではないかと思う。

 

 

やはり「シスター」要らなくない??

急に細かい話になるのだが、これだけは言わせて欲しかった。

「シスター」要らないよね?

一期からずっと感じていた。鎮魂ということで、祈りそのものが不要とは思わない。ただ、命を危険に晒してまで、戦闘中に祈る必要は無いだろう。周りの人だって、戦闘能力の無いシスターのフォローだけでも負担のはずだ。事後で十分だと思うし、人によって宗教が違うだろうに。(もしかしたら、作中で今後シスターたちの重要性が描かれているのかもしれないけど。)

 

 

これからは4クールかけて終わらなそうなアニメは避けていこうと思う。(あーDr.STONEの続き気になっているけど、4クールかけても終わらなそうだなぁ。。。)

*1:もしかしたら、アニメ独自の最終回を迎えたかもしれないが

【アニメ感想】日本沈没2020(評価レビュー:C+)

日本沈没2020、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

NETFLIXを契約したので、せっかくだから独占配信作品を探していたところ、本作に辿り着いた。ぱっと見面白そうなのだが、ネット上の評価はすこぶる悪い。逆に観たくなってしまい、かつ全10話と少なめだったので、視聴開始。うむ、世間の評価に納得しました。

以下総括。

  • 決して面白いわけではなく、クオリティも低く、ストーリー構成も良くない。
  • 題材も制作会社も悪いものではない。それぞれが噛み合わず、良さが出なかった。
  • ただ、展開が早く(それほどは)飽きさせない。ラストはキレイにまとまっていた思う。

正直、2クールだったら6話くらいでギブアップしていたと思う。伝えたいことも少ないので、さくっといきます。

japansinks2020.com

 

原作は1973年刊行のSF小説

日本沈没」、映画等もやっているので、名前だけは大概の人は聞いた時があると思う。原作は未読なんだが、カテゴリはSF小説なるも、本作を観る限り、かなり科学的に描かれていると思う。まぁ、だからこそ50年近く経っても様々なメディアミックスがされる人気作なのだろう。

本作は、地殻変動により日本が徐々に沈没していく中、一つの家族とその周りの人たちが、助け合いながら生き延びていく物語である。・・・と書くと、絶望の中でも希望の光が強い感じがするが、作中では大部分が絶望である。

こういうテーマはラストが難しい。広げに広げた風呂敷をどう畳むのか。ドラゴンヘッド」の二の舞にならないことを願う。

 

なんだかんだクオリティは低い

本作、特に作画のクオリティは低い。アニメ制作会社は「サイエンスSARU」。このサイエンスSARU自体は決してクオリティの低い作品を作るところではない。あの「映像研には手を出すな!」を制作している。淡白な線画にしつつ、ぐりぐり動く味のある軽快なアニメーションが特徴である。

ただ、本作は動きよりも、精巧な背景美術や複雑な心理描写が必要だったはずである。なので、サイエンスSARUによる淡白な線画が、ただの手抜きに見えてしまい、持ち味を出せず、結果、”クオリティが低い”という評価になってしまった。

題材もアニメ制作会社も悪いものではないのに、このような結果になってしまって残念。組み合わせが悪いように思えた。

(ただ、そういう背景はありつつも、ところどころ、ただ手を抜いている場面は感じられた。映像研とは力の入れ具合が全く違う。低予算だったのかしら。。)

 

また、ストーリー構成も良くない。この壮大なテーマの割に、全10話とコンパクト。無駄な話をしている時間はないはず。それなのに、途中で出てくる宗教家の内面を深堀し始めるとかどうかしている。

 

ただ、ラストは良かった

褒める部分は、展開の速さとラスト。たしかに上述したような無駄な話はあるも、メインの人物たちが次々と命を落とし、かつ、ずるずる引きずらずにさっぱりと描かれているので、重くなり過ぎない。よって、展開が早く、視聴者を(それほどは)飽きさせない。

また、ラストは結構良かったと思う。どうやって終わらせるのかと思っていたが、絶望的な状況の中での救出劇、その後の生活や世界情勢の描き方、思っていたよりもキレイにまとまっていたと思う。本作では、この点が評価する上での救いであった。

 

 

決して面白いわけではなかったけど、ドラゴンヘッドのような終わりにならなくてよかった。むしろ、興味が出た人は、ドラゴンヘッドを読んでほしい。↓

日本沈没 決定版【文春e-Books】

日本沈没 決定版【文春e-Books】

 

【アニメ感想】羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜(評価レビュー:A)

羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜」とは、中国の会社が制作したアニメ映画である。映画を観に行く時間があり、近くの映画館でやっていて、未視聴のアニメ映画が本作のみだった*1。ネット上の評価が結構良かったので視聴することに。

以下総括。

  • 一言でいうと、「これは観た方が良い」
  • 作品テーマの目新しさは無いが、全体的にそつなくこなしている。
  • 動きを重視したアニメーション。高クオリティ。

中国原産のアニメは観たことが無かったのだが(というか他に何があるのかも知らないレベル)、本作はかなりレベルが高い。制作会社(北京~)、監督(MTJJ木頭)ともに今後チェックしてみよう。

ちなみに、「羅小黒戦記」は「ロシャオヘイセンキ」と読む

luoxiaohei-movie.com

 

ちなみに、近くの映画館では、4DXでしか本作を上映していなかったため、ちょいとお高目ながら4DXで観ることに。私は4DX不要派であり、本作も4DXで観る必要は無いと感じた。友人が4DXについて語った記事があるので紹介しておく。↓

lawofcycles.hatenablog.com

 

WEBアニメ「羅小黒戦記」の前日譚

本作の「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜」は、2011年にWEB上で公開された「羅小黒戦記」本編の前日譚にあたる。と言っても、私は「羅小黒戦記」自体、全く知らなかったが、全く気にせず楽しめた。

時代設定はスマホが普及している現代なるも、「妖精」という種族が存在し、人間から隠れて暮らしている。人間社会に紛れて生活をしている妖精もいる。基本、人間による開拓によって、妖精は住むところを追い出されてしまった。人間を憎む妖精も多い。

つまるところ、本作のテーマは「人間と妖精の共存」である。

 

テーマの目新しさは無いが、そつがない

「人間と〇〇の共存」というテーマの作品は昔から多い。本作もその一つである。そういう点では、目新しさは全くない。

ただ、全編通して、”そつがない”と感じた。シリアスとコミカルのバランスが良く、場面展開も早いため、視聴者を飽きさせない。また、海外の作品だと、直接的な表現が多いと思っているんだけど、本作は場面と場面の間をあえて描かずに、行間を読ませる形にしている。これにより、作品の”奥行き”を感じた。この点は、日本アニメに通ずるものがある。

作中で、”正義が入れ替わる”場面があるのだが、良くある手法ではありつつも、こういう効果的な演出を入れ込むところに、”そつのなさ”が増している。

 

高クオリティの動き重視アニメーション

本作は、3Dから2Dに落として制作されている(たぶん)。鬼滅の刃のアニメでもそうだが、最近のセルシェーディング*2の技術力の向上は目覚ましいものがある。ほとんど違和感を感じない。

作画は、人物の影を少なめにして、アニメーションとしての動きを重視している。線画をあえて太くすることによって、絵柄がポップになり、可愛さを表現している。3Dの強みを活かした、大胆なカメラワークも多く、躍動感がすごい。

総じて、高クオリティである。

 

 

絵柄は子供向けっぽいが、内容は子供にとって若干難解ではなかろうか。逆に言うと、大人は十分に楽しめる。

全般的に高評価なのだけれど、やはり良く見るテーマであったことがちょっと残念。でも、これからも良い作品を作り出すと思うので、要チェックしていきたい。

*1:本当は、おジャ魔女の新作映画の「魔女見習いをさがして」を観る気満々だったのだが、2020/11時点では、TOHOシネマズ系列くらいしか上映していないっぽく、近くの映画館では上映していなかったのだ。

*2:トゥーンレンダリングと言った方が一般的なのかな。

【アニメ感想】攻殻機動隊 SAC_2045(評価レビュー:A?)

攻殻機動隊 SAC_2045、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

我々が愛した攻殻機動隊の最新作である*1NETFLIX独占配信作品。ネット上の評価は賛否両論。まぁ全編3DCGという時点で、評価が分かれやすいところであろう。

観てから気付いたのだが、1クールアニメかと思いきや、続編ありきで最終話はぶっつり物語が切れる。2020/11時点では、2クール目の配信日は未定。ご留意されたし。

以下総括。

  • 全編3DCGなるも、観ているうちに違和感が無くなる。食わず嫌いはしない方が良い。次世代アニメの可能性を感じた。
  • 古き良き攻殻機動隊の空気感を確り引き継いでいる作品。が、公安9課のカッコ良さは薄れている気がする。
  • 細かくは苦言を呈したくなるも、未完なのでこれからに期待。

既に完成されている「攻殻機動隊」に対して、単なる続編ではなく、3DCGという手法・表現を使ったところが、攻めてきたところだと思う。

監督はTVシリーズも手掛けた神山健治が参加している。声優も変更なし。それだけで嬉しい。

www.ghostintheshell-sac2045.jp

 

TVシリーズから数年後の世界

TVシリーズ」と表して良いのか分からないが、所謂”S.A.C”で公安9課が解体され、その数年後の物語、である。少佐たちは、外国で雇われ傭兵をやっていた。そんな中、アメリカ政府の策略により、陰謀に巻き込まれる。そんな折、荒巻は総理命令で公安9課の再編をしており、少佐たちを呼び戻すことに。でも、少佐たちは陰謀に巻き込まれていたので、呼び戻すのは苦労したんだけど、なんだかんだで公安9課再編完了、といった具合。(攻殻関連であらすじの説明とか、もはやいらんだろう)

 

全編3DCGでも食わず嫌いはしないでほしい

アニメ好きとして、3DCGは鬼門である。のっぺりとした面白みの無いアニメーションである印象が強い。

ただ、やはりというか、さすが攻殻機動隊。本作は、3DCGなるも躍動感がすごい。人物の細かい動きも表現されていて、3Dキャラに人間味が沸いている。専門のモーションアクターを起用しているだけある。

ある意味、3Dだと誤魔化しが効きづらくなるので、細部までモデリングをする必要があるのだが、本作は非常に精巧に出来ている。最初はゲームのムービーを観ている感覚であったが、途中から全く違和感が無くなってきた。3DCGというだけで、食わず嫌いをしないでほしい。

次世代アニメの形の可能性を強く感じた。

 

公安9課のカッコ良さが薄れている?

TVシリーズでは、政府の秘密結社でそれぞれのキャラが陰を持ちながらも、各々の正義を貫いていくという感じでカッコ良かったんだけど、本作の序盤では、雇われ傭兵であり、最初の敵にもソコソコ苦戦する描写もあり、「なんか・・カッコ良くないな・・」と思ってしまった。

ただ、後半はいつもの9課の空気になっているように感じた。この空気のまま、2クール目に突入してくれたら評価も変わってくるだろう。

 

未完なので2クール目に期待

まぁ、本作は「未完なので2クール目に期待」としか言いようがない。

ラストに関して、ちょっと動機がちっちゃいというか、スケールが小さい。普通の作品であれば、全然悪くないんだけど、天下の攻殻機動隊でやる話ではないだろう。思春期の葛藤や人情寄りの話なんぞを観たいわけではなく、もっと高位な知能戦が観たかった。

 

 

あと、一番衝撃だったのは、トグサが離婚していたこと。自分の信念ややりたいことを貫くのも良いが、家族あっての自分だと思うんだよねぇ。

*1:2020/11時点で

【アニメ感想】GREAT PRETENDER(評価レビュー:A+)

GREAT PRETENDER、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

「GREAT PRETENDER、良いっすよ」と同僚に勧められ、また、ネット上での評価も非常に良かったので、視聴開始。ただ、NETFLIX独占配信なので、ご留意されたし。ここ最近のアニメの中では、一番面白かったと評価する。

以下総括。

  • 終始隙の無い素晴らしい作品。脚本・構成、作画・美術、どれを取っても一級品。
  • 特に色彩鮮やかな背景は見もの。
  • ただ、アニメじゃなくても良くないか?

NETFLIX独占配信アニメってコケてる作品が多い気がするんだけど、GREAT PRETENDERは大当たり。これが観たいがために契約したようなものだが、悔いは無い。

www.greatpretender.jp

 

悪い奴らから金を騙し取る詐欺師集団の話

文字にしちゃうと急にチープ感が出てしまうが、「悪い奴らから金を騙し取る詐欺師集団」の話である。映画化もされたテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の脚本を担当した古沢良太*1が、本作でも脚本を担当している。

アニメ制作会社は「WIT STUDIO」。「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ*2」などクオリティの高い作品を世に出している会社。

そして、キャラデザは貞本義行である。

 

終始隙の無い作品

古沢良太貞本義行WIT STUDIOが組むことにより、非常に良く出来た商業作品となった。

まず、ストーリーの構成が素晴らしい。大きく4部に分かれるのだが、それぞれの部でメインキャラクターの1人を掘り下げつつ、話自体は確りと盛り上げて、最後はキレイに着地。まさに王道。詐欺を働くため、騙し合いになるわけだが、仲間同士でも騙し合いをしていく。そのため、視聴者はどこまでがホントで、どこまでが仕組まれたことなのか、気にしながら観つつも、結局は視聴者も騙されるどんでん返しの繰り返し。観ていてハラハラするのだが、観終わった後はすがすがしい気持ちになる。

内容は至極真面目に練り込まれて作られている。こういう作品は観続けると疲れてしまうのだが、色彩がポップで、キャラクター達の掛け合いも軽快、ストーリーも爽快であり、連続で観ても全く疲れることが無かった。

 

色鮮やかな背景

本作において、この点はどうしても伝えたい。何でも無い背景一つとっても、色鮮やかに彩っている。そして、色の付け方は、幾何学的に感じるんだけど、ルールを感じさせない、でも秩序は守っている、ような不思議なもの。オシャレだねぇ。

個人で描く一枚イラストならまだしも、複数の人が携わるアニメでこういう背景にするのが素晴らしい。一定のルールが無いとクオリティの一貫性が保てないはず。どういうルールで配色を決めているのか、最後まで分からなかった。スゴイの一言。

 

ラストはそんなに納得してない

終始素晴らしい作品なのだが、一言モノ申すとすればラストか。

父親の伏線も確りと回収してラストにふさわしいエンディングではあったと思うのだが、細かいところは納得していない。

まず、ラストはこんなに大掛かりな仕掛けを作る必要はあったのだろうか。

また、朱雀と枝村の関係については、思わせぶりな演出のみで、実際に枝村は何も感じていなかったのだろうか。今までの枝村のキャラ的に、何も感じていないわけは無いと思うのだが、そこの葛藤の描写が無かったのが残念。

そして、父。当時の背景は分かった。これに関してはうまい伏線の回収だったと思う。ただ、なぜ、父がコンフィデンスマンをやっていたのか、この点の説明が無い。「楽しかったから」が理由だと思っているが、事件が起きたら、家族を危険な目に合わせてしまうことは容易に想像できる。結果的に家族が悲しむ結果に。ここの深堀りや父からの一言が欲しかった。

・・・と言いつつ、所詮は些事。本作にモノ申すとしてもこの程度である。

 

 

あと、観終わって思ったことは、「これ、アニメじゃなくても良くないか?」である。非常に素晴らしいんだけど、それ故に、アニメではなく、実写でやれば良いんじゃないの?と思ってしまった。そっちの方が、商業作品として成功するのではなかろうか。

そう思ったことは確かなんだけど、では、「アニメに何を求めているのか」ということを自分に問いかけた時に答えは出て来なかった。俺の中で、GREAT PRETENDERは深い問いを残していった。

*1:他にも、「ALWAYS 三丁目の夕日」「探偵はBARにいる」「寄生獣」等々、大して実写映画やドラマを観ない俺でも観た時ある作品の脚本を多く手掛けている。

*2:俺にはカバネリが面白さが分からなかった。でも世間だと高評価らしい。

【アニメ感想】やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完(評価レビュー:B+)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完、通称「俺ガイル」、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」アニメシリーズの3期目。”完”と付いている通り、本シリーズの最終回である。1期はアレだったが、2期は俺の中でそこそこ良い評価だったので、3期には期待している。

1期2期のブログ記事は↓

takerururu.hatenablog.com

 

以下、総括。

  • 会話応酬アニメ。前期よりもパワーアップしている気がする。
  • 女性キャラの魅力は抜群。チープなお色気がほぼ無いのも好印象。
  • ただ、3クールもかける内容では無いだろう。ラストはあまり腑に落ちていない。

全般的に決して悪くは無い。2期と同等レベルの評価をしている。でも、「3クールもかけたラストがこれかぁ。。」と思ってしまった。いや、でも悪くは無いのよ。もっと盛り上がると思ったんですよ。

www.tbs.co.jp

 

 

2期の最終回からの続き

本作は、2期の最終回からの続きである。本当に続きから始まるので、3期の1話は、2期の14話と言っても差し支えない。なので、本シリーズを3期から見ても何も分からないだろう。上記に貼っている1期2期のブログリンクを参照してほしいが、1期から観る場合は、諦めずに2期が始まるまで頑張ってくれ。2期からが面白くなるから。

3期は、2期と制作会社が同じのため、クオリティは同等。ただ、もう少し背景・美術には力を入れてほしかった。のっぺりした背景が続く。車のモデリングも、3世代くらい前のヴィッツだったりして、実際に走ってるのはほとんど見ない。こういうことがあると、手抜き感が出てしまう。

 

俺ガイルは、会話応酬アニメだと思っているのだが、3期が一番応酬が激しい。ギャグパートでは特に顕著。人によってはクドく感じるだろうし、もしくは、小気味好いと感じるかもしれない。

本作では、各キャラクター自身が自分の心を語っていく、という表現方法を比較的多く用いている。そのシーンでは、深い心理描写が多く、かつハイテンポで繰り広げられる。2期でも同じことを思ったのだが、確り頭を回転させて観ないとついていけなくなる。

ただ、この点が本シリーズの持ち味だと思っていて、ギャグパートとのテーマの対比による緩急をうまく使いつつも、テンポを大事にしている。観ていて爽快。

 

女性キャラたちは男心をくすぐる

本作の女性キャラたちは、かなり狙い澄ました設定をしていると思う。確実に誰かしらが自分の好みにハマるだろう。非常に絶妙。(ただ、サブキャラの男性陣は碌な奴がいない。全員が安い設定で、観ていて腹が立つレベル。)

そして、主人公が美少女たちに囲まれているのに、チープなお色気が無く、安易な巨乳キャラもいない*1ところが好印象である。この辺が、このアニメをそれなりの地位に押し上げている一因であろう。

 

ただ、3クールもかけてやる話か?

何度も言うけど決して悪い作品ではない。むしろ良作である。ただ、物語の核心部分に違和感をずっと感じている。「共依存」が3期のメインワードの1つであるが、共依存ではないことを証明するために主人公が動き出す。

・・・別に共依存でも良くない?

これを言ってしまっては元も子も無いのだが、登場人物たちが物事を深く考えすぎなんじゃなかろうか、と常々感じた。自分たち自身で話をややこしくしているような気がしている。高校生なんだし、共依存とかそんなことなど考えず、一緒に居て楽しい人とただ楽しんで過ごしていれば良いのでは?と思えてならない。

そしてラスト、3クールをかけた割に恋の成就があっけない感じであり、盛り上がりに欠けた。このラストもそんなに悪いわけではないのだが、3クールの仕上げでやる話でもないだろう。2クールで要素を詰め込んでおけばもう少し評価が変わったと思う。*2

 

 

あと、最後にこれだけは言わせてくれ。OPのサビ部分、唐突にダンスシーンになるのだが、これがびっくりするくらいダサい。第1話にして先行きが不安になった。ダンス自体は本編と繋がっているのだが、それにしてもダサい。スタッフの誰か何も言わなかったのか?さすがfeel.。絶妙に微妙。

*1:川崎は安易ではない

*2:というか、やはり1期がほぼ蛇足なんだよなぁ。。