【アニメ感想】はたらく魔王さま!(評価レビュー:B-)
はたらく魔王さま!、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。
1クールもので重くないやつ、ということで視聴開始。ネット上だと「まあまあ良評価」という印象であったが、実際もそんなところ。もしくはそれよりちょっと下。総括は以下。
- 多数の複合要素をバランス良く取り扱っている作品(前半のみ)
- 「とりあえず何か1クールアニメをさらっと見たい」という時におススメ
- 後半はがっつり息切れ。無念。
最近観た「ゾンビランドサガ」や「灰と幻想のグリムガル」と同じく、導入は非常に良かったものの、最後まで体力が続かず敗退、という感じ。
”逆”異世界転生もの
異世界転生ものにも様々なジャンルがあるが、本作は”逆”である。我々が住んでいる地球というか日本に異世界から転生されてくるというもの。異世界の魔王と勇者が不測の事態に陥り、異世界(笹塚)に転生され、生活をしていくために住民票を作り、バイトをしながら元の世界に戻ろうとするもの。
多数の複合要素をバランスよく取り扱っている
総括でも記載した通り、この作品はかなりバランスが良い(もう一度言うが前半のみである)。要素としては、逆異世界転生もの、バイトというワーキング、そこから始まる恋愛、コメディとしてのギャグ・シュール、バトルもあり。詰め込みまくってはいるがガチャガチャしている印象は無く、それぞれの要素が視聴者に受け入れやすいように作られている。また全体的に作画も良く、かつキャラクターの表情の作りに制作陣のこだわりが見える。
そしてOPには栗林みな実という実力者を投入しているあたりに、制作陣の「このアニメはコケさせない」という一定の評価を取りに行った感が窺える*1。この点もバランスの良い作品である証拠であろう。OPムービーについては徐々に出来上がっていき、第5話でついに完成する。当時の苦労が垣間見れる。
後半はがっつり息切れ
「このアニメはコケさせない」とか上述したが、本作はコケたと思う。本当に前半は良かった。7話あたりで中だるみ発生。本題に入らず、毒にも薬にもならないゆるいラブコメ風が続く。また、表現が非常に冗長。異世界で悪逆の限りを尽くした魔王が、日本に来たら趣が変わり結構良い奴になっている。その心境の変化は本作の前半部分で語られており、視聴者も十分に理解している。が、その魔王の心境の変化を理解していない新キャラに対して、再度説明をする話が続く*2。ここで完全に息切れ。その後、クライマックスに向けて多少のシリアスモードに入っていくのだが、既に視聴者は興をそがれているので、もはや巻き返しならず。物語の着地自体もガチャガチャして終わった印象。残念。
本作の面白さが前半と後半で逆転していたら、そもそも最後まで視聴できなかっただろう。このアニメを観て学んだことは、前半が良ければ後半が面白くなくても惰性で見続けることはできるということ。
でも本当に前半は良かったので惜しい作品であった。2013年のアニメなので、おそらく今更二期はないかなぁ。