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【アニメ感想】さくら荘のペットな彼女(評価レビュー:B)

さくら荘のペットな彼女、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

ガチのアニメでもなく、一話完結の日常ほのぼのアニメでもなく、ちょうど良いものを探していたところ、J.C.STAFF制作の「さくら荘のペットな彼女」に辿り着いた。ネット上の評価もそこそこではあった。


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そこそこのクオリティに定評のあるJ.C.STAFF

J.C.STAFFの(私の中の)印象としては、以下の通り。

  • ブコメ系に強い
  • 安定した作画だが、薄味のアニメーション
  • 奇をてらった事はあまりしない
  • 一線は超えないが、適度なお色気

代表作としては、とある系・ゼロ魔・シャナ*1あたりだろうか。アニメを少なからず観ている人は確実にお世話になっているはず。たまにハズレ作品はあるのだが、本作はアタリの部類だと思ってはいる。

 

天才だらけが住む学生寮に凡人の主人公が移り住む

本作は芸術大学付属高校の学生寮が舞台。芸術大学付属だけあって、エッジの効いた学生が多く、その中でも突出した才能を持った天才というか問題児たちが「さくら荘」と呼ばれる学生寮に住んでいる(一般人は「一般寮」という学生寮に住んでいる)。そのさくら荘に、特に特徴も無い主人公が一般寮から訳あって移り住むことになる、というストーリーの流れ。さくら荘の住人が変人奇人の集まりであるため、一般学生は忌み嫌っており、主人公も嫌々さくら荘に行くことになる。

でも、学生という多感な時期に、才能あふれる同世代の若人たちと近い距離で過ごすというのは、常に刺激受けるはずで、それを自身にとって良い影響にしてしまえば、これ以上に無い環境ではないかと思う。実際(?)に主人公も住人たちから刺激を受けて、密かに想っていたゲームクリエイターの夢に向き合い始める。

 

特に印象に残らないアニメ

いきなりの感想がコレなのは恐縮だが、全体的に大きな山場もなく、でも中だるみもあまり感じず、「不可」ではないが、「可」といっても良いものかどうか、という感じ。印象には残らないが、全体的に悪くはないので、OPが良いとかの何かしら特色が欲しかった(でも2クール目のEDムービーは手を抜きすぎだろ!!)。

主人公ハーレム系ではなく、複数のペアリングはされているため、それぞれの恋愛模様を観ることができる。主人公だけは、不思議系天才ヒロインと面倒見の良い幼馴染系ヒロインの2人を擁する*2(もちろん(?)不思議系天才ヒロインの方がメインルートなのだが、既婚者の立場から言うと「面倒見の良い幼馴染」の方が確実に良いのだけれど、それだと物語の起伏がなくなるのよねぇ)。

この「それぞれの恋愛模様」について、主人公よりもサブキャラ(美咲と仁)のストーリーが良い。プロの域に達してるアニメーターの美咲と駆け出し作家の仁。美咲の求めているレベルに仁の作品は届いていないものの、美咲は仁に好意を持っているため、その作品を受け取りアニメを作成する。仁は美咲が自分の作品に満足していないことに気づいており、肩を並べられるまで2人の距離を置こうとする。ゆるいラブコメながら、複雑な感情表現をしており、確りと作っている印象は受ける。サブストーリーが悪くないので、中だるみをあまり感じさせない作りになっているのだと思料。

 

第21話は評価したい

さくら荘の住人は全6人であり、内訳は以下。

  • 天才:3人
  • 中間:1人
  • 凡人:2人(主人公含む)

上述した通り、主人公含む凡人が天才たちに刺激されて夢を追いかけるわけだが、なかなか辛辣な展開が待っている。安易なサクセスストーリーにはせず、確りと谷に落とした上で更にトドメを刺す、という流れ。特に第21話では、ゆるめのラブコメアニメでそこまでせんでも、、と思ってしまい、何か謎の感動をしてしまった。突出した才能を持っていない人が努力だけでは超えられない壁を演出するも、天才たちはあっさりとその壁は超えていく、というコントラストがこのアニメの見どころであろう。この話は評価したい。

 

最終回の卒業式には苦言を呈したい

大抵、学園物の物語で主人公が1~2年生の場合、最終回は3年生の卒業式と相場は決まっている。そしてアウトロー達が集まる古い学生寮は取り壊しの話が上がることも、これまた相場が決まっている。案の定、本作もそうである。そして、取り壊し撤回を求めるべく、学校側と戦うのである。そこの最終決戦は卒業式の答辞。答辞をする予定であった生徒会長に根回しし、さくら荘きっての奇人である上井草美咲が答辞を行う。その内容は、さくら荘や住人達との思い出であり、さくら荘の取り壊しの直談判である。結果として、他生徒の心を掴み見事取り壊しを撤回させることに成功した、という流れ。

いや、おかしいだろ。まず、さくら荘住人の卒業式の私物化が過ぎる(実際(?)に校長も私物化は止めろ、と言っていた)。本校はそこそこの生徒数がいるはずであり、天才の集まりだとしてもたった6人しかいないさくら荘はかなりの端っこの存在であるはず。ほとんどの生徒から見ると無関係でありながら、さくら荘が卒業式を乗っ取るという形であり、非難を受けるべきである。

この最後をやるためには、「さくら荘」が本校生徒にとって神格化されているか、取り壊し撤回運動時に全校生徒がさくら荘の味方になっているような状況を事前に作り出しておくべきだろう。最初に上述したように、ほとんどの生徒から「さくら荘」は忌み嫌われている表現もされているので、よりこの最後は納得感に欠ける(まぁでも思い切ったとは思うよ)。

 

本作について、いろいろ微妙なコメントを書かせてもらったが、酷評をしているつもりはない。アニメ好きだと基本アニメしか見ないので、ガチだけの作品だと疲れてしまい、日常ほのぼの系では物足りず、こういうやや軽い本作も必要なのである。

 

 

 

*1:若干選択が古いか・・?

*2:「擁する」っていう表現もなんだかなぁ。。