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【アニメ感想】無限の住人-IMMORTAL-(評価レビュー:B+)

無限の住人-IMMORTAL-、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

職場の同僚から3回ほど勧められたので、いよいよ視聴してみた。Amazon Prime Videoの独占配信作品。これは非常に評価が難しいというか、評価が分かれる感じだと思う。以下総括。

  • 武士の時代背景に合わせた雰囲気たっぷりの世界観。
  • 原作未読なのに端折っていることが分かるくらい、物語が駆け足。
  • 1クール目と2クール目で評価がガラッと変わる。2クール目は高評価。

同僚からは、「粗は多いものの、光るものあり」との評価を聞いていたが、その通りであると思う。特に2クール目は必見。でも、粗の多さが目立つなぁ。。確実に万人受けはしない。

mugen-immortal.com

 

復讐を誓う女主人公と不死身の用心棒

両親を殺した奴らに復讐を誓う女主人公の「凜」。体内に寄生させた蟲のおかげで、不死身の肉体を持つ用心棒の「万次」。この2人による復讐劇が、いま、始まる、といった具合。

無限の住人」は漫画原作であり、2008年にアニメ制作会社ビィートレインにて一度アニメ化されている。また、舞台化やキムタク主演で実写映画化もされている。本作は、”完全版”と銘打って、アニメ制作会社ライデンフィルム*1にて再アニメ化されたもの。

”武士”という雰囲気たっぷりの世界観を表現している。用心棒の万次は40代のおっさんなのだが、声優は津田健次郎*2であり、これまた雰囲気たっぷり。

 

1クール目の駆け足感とマンネリ感

正直、1クール目は視聴するのが結構しんどかった。親の仇は、”逸刀流(いっとうりゅう)”という流派であり、その数なんと30人+α。1話に1人やっつけても2クールに収まらないじゃないか。案の定、1~2話をかけて、1人を始末していくスタイルで物語が進んでいく。(それでも遅い)

駆け足で物語を進める必要があるのだが、原作を知らなくてもストーリーを端折っていることが分かるくらい、第2話の始まりが唐突であった。その後も同じく各話唐突に始まる。その度に「んん・・?」となるので、観るのに疲れてしまった。

話の内容も全体的に暗く、多少敵側に同情を誘うような脚本を挟みつつ、結局は成敗、というパターンが続き、マンネリ感も出てくる。緩急も無い。コミカルな日常パートとかがあれば、もっと暗い真面目な話も映えたと思うんだよなぁ。

 

2クール目の目を見張る演出

本作は、1クール目と2クール目で全く評価が異なる。スタッフ総入れ替えしたんじゃないかと思うくらい作風が変わってきた。Amazonからテコ入れ要請があったのかどうか分からないが、これはかなり成功だったと思う。

演出に抽象表現が多用され、本作の時代劇とうまく融合していた。ホラーチックな雰囲気も出始めて、目を見張る演出が多数見られた。おそらく、この部分が同僚の言っていた「光る部分」なのだろうと理解。

物語自体もクールの境に合わせて趣が変わる。1クール目は復讐劇だったが、その終盤では、親の仇である”逸刀流”の当主と女主人公の邂逅。お互いの人間性に触れることで、もはや復讐が目的では無くなってくる。逸刀流と別流派の対立を通じた「逸刀流の行く末」を女主人公が見届ける、というスタンスになる。

たしかに、「復讐」を最後までテーマにすると碌な終わり方にならないので、方向性の転換も成功だと思う。

 

凜の身の丈に合わない復讐と万次の弱さ

この2つに突っ込まざる得ないというかなんというか。

凜も復讐に対する覚悟は相当なものなんだけど、逸刀流が強すぎるのも相まって、「復讐するのちょっと無理じゃない?」と思ってしまう。2年修業した、と本人は言っていたが、言うても2年そこらじゃ足りんだろう。あと、計画が無さすぎる上に、ぽっと出の案に軽く命かけ過ぎ。身の丈に合わない願いのクセに、万次が不死身であるが故に復讐が進んでいく様に納得が出来なかった。

あと、「万次弱くない?」と何度か思った。不死身でなかったら第2話で死んでいる。すぐに四肢を切られる。でも不死身なので、復活して敵を成敗。ちょっと卑怯というか反則だよなぁ。不死身だから切られても良いような戦い方をしているのか、元々そんなに強くないのか、そこらへんの説明があっても良かったのでは。

 

 

ただ、非常に個性的なキャラが多く、これに関しても「光るもの」は感じる。特に尸良のナチュラルな狂人さは印象に残った。

この作品は、原作に手を出してみるのも面白いかもね。

無限の住人(1) (アフタヌーンコミックス)
 
第一幕「罪人」

第一幕「罪人」

  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: Prime Video
 

*1:ライデンフィルムという会社は初めて聞いた。制作作品一覧を見たのだが、ピンと来ない作品が多かった印象。

*2:テニプリの乾、と言えば分かってくれるだろう。