調査役から一言

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【アニメ感想】宝石の国(評価レビュー:A-)

宝石の国、視聴完了。考察というか、感想や評価を書いていく。

 

軽いノリのアニメばかり観ていたので、少し真面目?なものを探していて、「宝石の国」に辿り着いた。これはなかなかの掘り出し物でございました。ただ、結構評価は難しく、本作の良さを伝えられるか不安である。

以下総括。

  • 全編3Dアニメなるも、キャラの表情やアニメーションが生き生きしている。
  • 非常に難解で抽象的な設定・世界観。ただ、キャラクター達の掛け合いがポップなため、視聴者が本作を受け入れるハードルは少し下がっている。
  • ”これから”という時に物語が終わる。二期はまだか!

おそらく、人によって評価がかなり変わってくる作品だと思う。賛否が分かれるというより、”優”か”良”かという評価になるかと。なので、観た方が良い。

land-of-the-lustrous.com

 

 

作り込まれた不思議な世界観

本作、かなり難解で抽象的な世界観になっている。設定やあらすじを良い感じで簡潔に説明できる自信が無い。タイトルの通り、「宝石」が1つのキーワードであり、登場人物たちは、様々な宝石を擬人化したもの。先生と呼ばれる指導者の下に、数十人(数十体?)の宝石たち。その宝石をさらうために、月から現れる月人と呼ばれる者たちが襲撃してくる。宝石と月人とのファンタジーアクションもの。

文字にしたものの、なんのこっちゃである。

 

全編3Dアニメだが、キャラが生き生きしている

やはり、最近のセルシェーディングの技術の進歩はすごい。のっぺりとした印象を持つ3Dアニメだが、本作はキャラクター達の表情が豊かで、アニメーションも3Dの強みを最大限活かしたアクションが多い。

ビジュアルだけでなく、登場人物たちの掛け合いが小気味良いテンポで繰り広げられる*1。このポップさが作品全体を明るくしてくれていて、難解な設定・世界観になるも、視聴者が本作に対して取っ付きやすくなっている。

 

アニメ制作会社は「オレンジ」我々の愛した攻殻機動隊や新劇場版ヱヴァシリーズの3DCG制作協力をしている実力派。本作のクオリティの高さも頷ける。

 

ストーリー展開は悪くない。ただ、もう少しスピードアップしてほしかった

まず、主人公について。マイペースで奔放な主人公。悪意は無くとも、その行動故に周りをトラブルに巻き込んでしまう。その主人公に(私が)イライラを感じてしまう部分もあった。物語中盤の最後、自身の行動により、仲間を失ってしまう。

そこからの主人公の成長。”成長”と呼んでしまえば聞こえは良いが、人が変わったようにクールとなり、強くなっていく。

そこのギャップに視聴者は何とも言えない物悲しさを感じてしまう。おそらくは、この後、元々の自分らしさを取り戻しつつも、より強くなっていく、という展開が来て、視聴者を惹き込んでいくのだろう。

模範解答のような良く出来た展開である。

 

全体のストーリーについて。前半、少しテンポが悪かった。なかなか物語の核心に近づかず、少しずつ興が削がれていった印象。抽象的なテーマでこれはかなりの痛手だと思う。ただ、後半になると核心に近づき始め、この世界観にどっぷり浸かり始めたときに本作は終了する。もう少し、ハイテンポな展開をしてほしかった。

 

 

全体的に面白い試みが多く、是非とも二期を制作してほしい。絶対にここから怒涛の新展開が繰り広げられるはず。ただ、本作が2017年なので、もしかしたら二期が無いのではないかと思わなくもないが。。

宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス)

宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス)

 

*1:声優陣もなかなか豪華である。特に黒沢ともよの気だるい感じが主人公のキャラクターにマッチしている。