調査役から一言

アニメとか闘病記とかTOEICとか

【アニメ感想】リズと青い鳥(評価レビュー:B+)

リズと青い鳥、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

ネット上の評価が非常に高かったので、ずっと気になっていたんだけど、既に劇場公開は終わっており、観れずにいた。そんな折、気が付いたらdアニメストアで配信してるではないか!以下総括。

  • 作画等のクオリティは文句なし!
  • 繊細な心理表現等も文句なし!
  • ただ、もうそれ以前に俺は主人公の鎧塚さんが好きになれない。

観終わった感想として、たぶん、この作品は評価が高いんだろうなと思った。でも一部の人には響かなかったと思う。私もその一人。その理由とかつらつら書いていきたい。


f:id:takerururu:20200829003613p:image

f:id:takerururu:20200829003608p:image



 

響け!ユーフォニアム」のスピンオフ作品

京都アニメーション制作の吹奏楽アニメ「響け!ユーフォニアム」に登場する鎧塚みぞれ・傘木希美の2人の関係を切り取ったスピンオフ作品。「響け!ユーフォニアム」でもこの2人の話はそれなりに扱っていたが、より深堀をしていくもの。

ただ、そこまで大きな出来事も無いのに約90分見入ってしまう。この”魅せ方”が、京都アニメーションらしい。

 

面白いカメラワークと調和している色彩

作画等は京都アニメーションクオリティを存分に出しているが、特に今回気になったのはカメラワークである。定点カメラを多用している。それも俯瞰や下からなど様々。実写映画を観ているような感覚になる。この演出の狙いは何だろうかと考えたのだが、視聴者は2人の物語を見守る・観覧する、という効果を狙っているのではないかと感じた。視聴者をこの世界に入り込ませるのではなく、2人の世界を観せたかったのではないかと。(いや、うまく伝えられてる自信は無いんだけど。。誰かうまい言葉で代弁してくれ。)

また、絵本のシーンは素晴らしかった。背景が水彩画風なので、淡くキレイな世界観を作っている。ただ、そうすると人物などの動く部分が背景から浮いてしまうことが多いんだけれども、線や色のタッチをゆるく・淡くすることによって、違和感を無くし、背景と調和することができている。さすが京アニである。

 

ただ、鎧塚さんが好きになれないんだよ

上述してきたようにクオリティ等々は素晴らしいのだが、もうそれ以前に主人公の鎧塚さんが好きになれない。好きになれないというか、はっきり言うと結構なレベルで嫌いなタイプである。「響け!ユーフォニアム」の時からそう思っていた。怒りに任せてつらつら書いていきたい。

たぶん、鎧塚さんの設定は、「おとなしく、人とのコミュニケーションが苦手」であるのだと思う。ただ、作品を観る限り、「不愛想で、(希美以外とは)人とのコミュニケーションを取る気がない」ように思えた。でも、ここは優しい世界なので、鎧塚から無下に扱われる後輩は健気に鎧塚に話しかけ続けるのだ。そして、鎧塚は少しずつ心を開き始める。はたして、どうしたものか。コミュニケーションが苦手と不愛想は違うと思っていて、実際、不愛想な奴相手にこんな健気に話しかけてくれる人なんか存在しない。もう、鎧塚なんか放っておけ!と、健気な後輩を観ながら思ってしまった。

鎧塚は希美しか見ていない。一番イライラしたのは進路の話。「希美が受けるなら、私も(その大学受ける)」という鎧塚のセリフがある。はたして、どうしたものか。友達がそこに入るから私も、とか部活じゃないんだからさ。自分の人生なんだから自分で決めたらどうなんだ。高3にもなってこれとはいかに。

そして、図書室では、借りた本の返却期限を1ヶ月も過ぎて返している。図書委員から怒られる鎧塚を希美がフォローするのだが、これ以上鎧塚を甘やかすな。

更にこの怒りを助長させるのは、所謂”自分”を持っておらず、何もこだわりすら感じさせないのに、教師から音大を勧められるほどの実力を持っているところである。

 

別に私が人に誇れる立派な人生を歩んでるとは言わないし思ってないけど、それにしたって鎧塚にはイライラしてしまう。でも、鎧塚のスピンオフをわざわざ劇場版で高クオリティで制作したということは、人々はこの鎧塚に共感をし、世間から求められた物語の主人公だったのだろう。

 

となると、イライラしてしまう私がズレているのか?

え、ほんとに?俺だけ?

 

 

んで、ここまで好き放題書かせてもらったが、最後は逃げさせていただく。鎧塚の件は、所詮好き嫌いの話なので、本作を観る上では気にする必要は無いだろう。クオリティは確かなのだから。

リズと青い鳥 原画集