調査役から一言

アニメとか闘病記とか

【アニメ感想】Fate/Zero(評価レビュー:S-)

Fate/Zero、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

2011年ごろの放送当時に本作はリアルタイムで見ていた。ただ、結構評価の高い作品、藍井エイルのEDが良い、第1話で遠坂時臣らが言峰綺礼の周りをグルグル回る、くらいしか覚えていなかった。「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」を観てFate熱が高まったので、改めてFate/Zeroを観ることに。んー、何でこんなに面白い作品なのにうろ覚えだったんだろう。たぶん、Fate熱が高くないときに観たからかな。以下総括。

  • 相変わらずのufotableによる高クオリティ作品。
  • 登場人物が”大人”であることによるキャラ立ちの良さ。
  • 虚淵玄らしい退廃的な物語。絶妙な脚本と演出。

第1話のラスト、登場人物たちの英霊召喚で最大に盛り上げた上で、LiSAの「oath sign」による引き込み。このアニメの大物感たるや、ここで完全に心を持っていかれるはずである。もう一度言うが、Fate熱が高い時にFateシリーズは観よう。評価が全く変わってくる。(それはそれで、このアニメレビュー記事たちの一貫性がブレるんじゃないの?とか思うが、「作品を最大限楽しむ」という意味で良しとさせてください。)


f:id:takerururu:20200810002634p:image

f:id:takerururu:20200810002625p:image

 

Fate/stay nightの10年前の物語

まず、本作の「Fate/Zero」を観る前に前作の「Fate/stay night」を観た方が良い。物語の時系列的には「Fate/Zero」の方が前のため、ネットには”Fate/Zeroを先に観よう”とか書いてある記事もあるが、個人的には「Fate/stay night」を先に観ることをおススメする。というのも、Fateに限らずシリーズ物としては後に制作された方が作品として成熟し、現実の時代背景に合うように作られている(と思っている)からである*1。なので、シリーズ物は制作順の方が観やすいと考えている。

前作では、士郎という主人公を軸としてどのルートに行くか、という物語の進め方であったが、本作では(視聴者的には)結末ありきの物語を複数の登場人物の視点で描く、というものである。Fateのサーヴァントや聖杯戦争等々の設定は難解なものがあり、アニメと言えども作中に一定の説明は必要となってくる。が、Fate/Zeroを観るほとんどの人は前作を視聴済みで設定等を知っているはず。制作陣もそれを分かっているはずで、本作中での設定等の説明はそこまで多くは無い。なので、出し惜しみなく、どう”魅”せるか、に全力を注げるのだ。Fateシリーズはサーヴァントも含めると登場人物の数は多く、全員の深堀はアニメの限られた枠では難しい。ただ、設定等の説明を少なくすることにより、登場人物全員の細部まで描くことが出来ているのだ。

 

”大人”であることによるキャラ立ちの良さ

見出しの通り。キャラデザの良さもさることながら、本作はキャラクター達の”立ち”が良いと感じる。というのも、前作と異なり、マスターたちは(一部を除き)それぞれの正義と覚悟を持った大人たちであるため、人として(良くも悪くも)成熟している。学生が登場人物であると思春期であるがゆえに、どうするべきか、どうなるべきか、などの内面を描くことが多いのだが、本作ではそれが不要となる。したがって、それぞれの行く先が明確化されており、上述したように登場人物全員の細部まで描けているため、結果、全員のキャラ立ちが非常に良くなっているのだ。

 

虚淵玄らしい退廃的な物語

一番の見所はここだろう。まどマギで一気に有名になった虚淵玄だが、私が一番心に残っている作品は「Phantom -PHANTOM OF INFERNO-*2」である。Phantomは本当に何周したか分からないくらいやった。あの退廃的な物語がたまらなく好きなのだ。(というかニトロプラス全般が好みではあるのだが。)

Fate/Zeroについて、破滅の結末であることは前作を観ていれば分かるのだが、その道中たるも余すことなく虚淵節が出ている。切嗣の過去話も捨てがたいが、一番それらしいのは間桐雁夜ではないだろうか。

間桐雁夜、最愛の人のために文字通り命をかけて聖杯戦争に参加するも、最後にはその最愛の人に手をかけてしまうという悲しい結末。間桐雁夜の登場当初、その信念に大抵の人は応援をしたのではないだろうか。というのも、その時は”良い人”という演出であったからだ。ただ、徐々に視聴者側は間桐雁夜を見る目が変わってくる。”最愛の人のため”であった信念は、独りよがりの屈折した好意によるものであると気付いてくるからだ。「なんか雁夜ちょっと気持ち悪い」と視聴者は嫌悪感を抱き始める。この演出により、非常に凄惨な結末になろうとも、視聴者側の拒否反応を示すギリギリのラインに留めることができ、観る者を惹きつけ、所謂”考えさせられる”状態に誘うことが出来ている。非常に絶妙な脚本と演出。

アニメの媒体において、ここまで観ていて強烈にツラい結末には制作時に賛否が出たはずだ。でも、ここを突き抜けたところが素晴らしく、これこそ求めていた物語である。

 

本作の登場人物の一人である「ウェイバー・ベルベット」。ウェイバーを主人公としたスピンオフアニメがあるらしい。「ロード・エルメロイII世の事件簿」。全く知らなかった。。Fate熱がある内に観ておこう。

Fate/Zero 1 第四次聖杯戦争秘話 (星海社 e-FICTIONS)
 

 

*1:まぁ、シリーズ物で後に制作されたものの方が腐ってる作品も多いが。。。

*2:実際にプレイしたのは「Phantom INTEGRATION」である。もうプレイできる媒体がほぼ無いな。。