【顔面神経麻痺】ラムゼイハント症候群というのになってしまった...(その③:発症9日目~18日目)
「顔面神経麻痺」になってしまったというお話のその③。
(2020/5/27~2020/6/5継続中:発症9日目~18日目)
「ラムゼイ・ハント症候群」と診断されてから10日経過。結論から言う。発症から18日目、俺は勝利宣言をした。
前回記事はこちら↓
【目次】
【ざっくり時系列:発症9日目~18日目】
2020/5/27~:発症9日目~
「ラムゼイ・ハント症候群」と診断されてから数日。周りの人が一層優しくなってきている。とにかく食事がツラくて、食べ終わるころには麻痺側の顔面がつりそうになり満身創痍。食器洗いをしたら、「おれ、ちょっと横になるわ」がルーチンになり、その間は家族が子供の相手をしたりと協力してくれる*1。
若干、今後の人生について考え始める。治らなかったらどうするか。私は結婚もして子供もいるのでプライベートは問題なかろう。介護が必要なわけでもないし、結婚して6年も経つと容姿に関しては些事である*2。
仕事はどうするか。社内SEだし、ホワイト企業だと思っているし、会社から一定の評価はされていると思うし、多少パフォーマンスが落ちたとしてもやっていけるはず。でも昇進は難しいだろうなぁ。10分喋ったら顔面が疲れて話さなくなる部長とかいないだろ。あと、転職も難しいだろうなぁ。顔面神経麻痺は障害者認定されないはずなので、企業としても採用する旨味無いし、よほどの人材でもない限り敬遠しそうな気はする。細かいところだと、食べ方が非常に汚くなるので、社食とか行けないなぁ、ランチはウイダーinゼリーかなぁ。とか、大き目な話から切実なものまで考えていた。
2020/5/30:発症12日目
とは言っても、あまり深刻には考えておらず、まぁ治る可能性の方が高いしとか思っていた。そんな中、麻痺側の上唇が「ピクッ」と動いた気がした。急いで鏡を見てみる。唇を動かそうとすると微かに上唇がピクっと動く。「こ・・これは・・・」状態。
2020/5/31~:発症13日目~
翌日、上唇のピクつきが大きくなっているように見える。さらに頬も少し動いている。もう、この時点で「勝った」と思った。翌々日、麻痺側の鼻が0.数ミリ程度動いているように見える。さらに翌日、眉毛も少し上がるようになる。もはや日進月歩。0歳児の我が子よりも俺の成長スピードは速い。
2020/6/5:発症18日目(診察3回目)
診察3回目。前記事で書いた通り、筋電図検査を実施。顔の神経に電気を流して、どれくらい神経が伝わっているかを調べるもの。健常側の神経伝わり具合を100%として、麻痺側が何%かを測る。どのくらい治っているのか、どのくらいで治るのか、予後診断をするもの。ざっくり基準は以下。
- 10%以下:予後不良。手術も検討する。完治例も少なくなる。
- 10~40%:今後の出方次第。
- 40%以上:予後良好。ほぼ今後の完治は見込まれる。
朝一で検査実施。担当の看護師さんは良いとも悪いとも言わず、なんとなく私も聞かず、 検査終了。その後、担当医と診察へ。
「症状はどうですか?」
「結構良くなってるんですよねー」
「あーですよねー。検査結果良かったですから。70%でしたよ。」
「まじすかー!!」
という具合であった。明らかに症状が改善していることはわかっていたので、自信はあったのだが想像以上に良い結果であった。前回の診察で私が若干絶望感を出していたせいか、今日の担当医は「いやぁ本当に良かったです」としみじみ言ってくれた。
では、(完治していないながらも勝った気でいるが)勝因は何だったか。これはこれで今度感想戦をしてみようと思うものの、担当医からは「これは追加のステロイドが効きましたね」とのこと。いやいや、アンタ最初「これ以上打つ手が・・」とか言ってたじゃん。危ないところだった。他の医師に相談してくれて助かった。
これにてステロイドは終了。あとはビタミン剤や血流を良くする薬を常用して、3週間後の6/26に経過を診る、という流れ。ランチは病院に併設されているケンタで和風チキンカツサンドを食べた。この厚み、先週時点ではいつになったら食べれるのだろうかと思っていたが、まだちょっと無理しながらも人目がある店内で完食することができた。ここで俺は、ラムゼイ・ハントに対して高らかに勝利宣言をした。
【顔面神経麻痺の病状・影響】
※前記事からのアップデート赤字
病状のスピード
どこに基準を置くか難しいのだが、口を開いた際に見える下の歯で表現する。こう見ると、ステロイド投与しても悪化し続けている。病状については、40点法という評価方法があり、診察時に実施した。サイトによって評価基準はまちまちのようだが、10点未満が重症、10~18点が中等症状、とのこと。
初日:
麻痺している右側奥歯が見えない。
2日目:
前歯が半分しか見えない。※この日の夕方からステロイド投与開始。
40点中:16点
3日目:
前歯がほぼ隠れる。
4日目:
左の奥歯しか見えない。
5日目~8日目:
4日目以降変化なし。平行線をたどる。
40点中:14点。少し下がる。
18日目:
診察3回目。
40点中:18点。かなり動きは良くなっている気もしたが、点数にするとこの程度の模様。
五感(発症から18日目時点)
※前記事からのアップデート赤字
視覚:
概ね問題なし。
嗅覚:
問題なし。
味覚:
18日目時点継続中(少しずつ良くなっている気はする)。右側の舌が使い物にならないため、部分的な味覚障害。右側の口に食べ物が来ると異物感を感じる。が、我慢できる範囲。
聴覚:
18日目時点継続中(少しずつ良くなっている気はする)。高い音(水の音やシャッターの音や赤ちゃんの泣き声など)が非常に大きな音で聞こえる。が、我慢できる範囲。
触覚:
問題なし。右側の顔自体は確りと感覚はある。
部位(発症から18日目時点)
※前記事からのアップデート赤字
見た目:
もうほとんど平常時では問題なし。
目:
まばたきがある程度できるようになってきたので、目の乾燥を気にしなくて良くなった。ただ、まだ目をぎゅっと瞑れないので洗顔時は洗顔料が目に当たらないよう気を付けている。でもその程度まで改善。
鼻:
特に問題なし。
口:
多少無理すれば和風チキンカツサンドを完食できるレベルまで改善。ただ、未だにうがいをすると麻痺側の口から水が飛び出す。喋りにくさはかなり改善し、話しているとすぐ顔や口が疲れるということも無くなった。
耳:
18日目時点継続中(少しずつ良くなっている気はする)。おそらく顔面神経麻痺としては問題なし。ただ、私は最初に右耳周りのリンパをやられたせいか、右耳の中を押すと少し遅れてソコソコの激痛が走る。
他:
顔面以外は特に支障なし。通常通り。
もはや目と口を閉じ耳だけ開いた人間になっている。⇒もう目も口も開いた。
その他もろもろ
※前記事からのアップデート赤字
仕事面:
休職明けは2020/8/7予定。あと2ヶ月ちょっとだが、治らない可能性もあり、仕事に支障が出ることは想像できるため、部長に症状を伝えて今度面談予定。
部長には少々深刻な形(いや、実際深刻だったんだけど)で伝えてしまっているため、「いやー結構良くなりましたねー」とあえて軽いノリで伝えるか、「本当に奇跡が起きまして・・」と感動的に伝えるか、どうするか検討中・・・
嫁さん:
むしろ私よりも心配している。自分も大変な中、いろいろとサポートしてくれてありがたい限り。
子供(3歳児):
5日目、「お父さんの口、変」と言われ、ついにバレる。
実親:
「えー治るのが5割から7割~?別の病院で診てもらったら~?」と軽口を叩かれて若干イラつく。で、思ったのは、こういうちょっと厄介な病気に罹った人には、神妙な顔をして「何か私にできることあれば言ってね」、と病気の内容自体には突っ込まずにこう言うのが一番だと思う*3。
ラムゼイ・ハントの闘病ブログ:
「ラムゼイ・ハント症候群」と診断されてから、闘病ブログをいくつか見させてもらった。統計上の数字も厳しいものがあり、かつブログをやられている方は重症者が多かった。筋電図検査も0%の方とかもいて、手術するも後遺症が残ってしまった人もいた。「それでも、私は前を向いて生きていく」というブログがほとんどであり、同様の疾患を持っている者からするとかなり励まされる。半面、「俺もこの道を辿ることになるのか」と大きな不安に押し潰されそうになる。
何を伝えたいのかというと、「ラムゼイ・ハント症候群」でも発症から2週間ちょっとでここまで良くなることもあるよ、と言いたいのだ。この病気、重症だと一生ものなので、ブログに残そうとする気持ちはわかる。それゆえに重症のブログが多く、新規疾患者としては不安になるのだ。私のように前からブログをやっていないと、軽症~中等症状でわざわざブログに残そうとも思わないだろう。
なので、ラムゼイ・ハント症候群と診断されても希望は捨てないでほしい。
【次アクション】
なんかもう本テーマの締めみたいなことをポエムチックに書いてしまったが、これで3週間後の診断時に症状が改善されていなかったら恥ずかしいことこの上ないので、ひとまずここまでにし、次回は感想戦に突入したいと思う。湯治(スーパー銭湯)には行きます。
その④に続く↓