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【アニメ感想】ばらかもん(評価レビュー:A)

ばらかもん、視聴完了。考察というか、評価や感想を書いていく。

 

灰と幻想のグリムガルと同じく、ネット上の評価は良いものの、身内では話題になっていなかったので視聴。結論としては以下の通り。

  • 総合的に良質なアニメ
  • 万人におススメできる
  • ただ、ストーリーの起伏が少ないので、ちょっと物足りないか

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島流しされた書道家の主人公

このアニメ、どんな話かというと、若き書道家の主人公がお偉いさんに自身の作品を批判されたため、頭にきて殴ってしまう。その反省として東京から島流しされ、島民たちとの生活を経て書道家として成長していく、というストーリーである。

まず、こういう設定で良くあるダメな展開だと個人的に思っているのは、以下二点。

  • クリエイティブな主人公のエッジの効きすぎた性格で視聴者がついていけない
  • 島民との必要以上の衝突。事件事故等をきっかけに島民と打ち解けあうという安っぽい展開

この上記二点が全くなかったことが素晴らしい。書道家ということだが、人として一定の常識を持っており、主人公の考え方に視聴者が置いてきぼりになることもなかった。かつ、クリエイターらしいピュアさもあったので、ピュアな島民との打ち解けも早い。島民との必要以上の衝突からの困難を乗り越えての打ち解け、という安っぽい展開があると作品全体にチープ感が出るというか「白ける」のだが、本作はこのような展開は無く、脚本が狙いを定めて丁寧に作られているという印象も持つ。

 

優等生アニメではなく、コメディ寄りであったのが好印象

第一話の感想としては、夏目友人帳などのようなキレイで丁寧な優等生アニメだと感じたが、第二話からコメディ寄りになり、最後までそれを通していたところが好印象であった。優等生アニメであると、毎週一話観るのであればまだしも、続けてみるのはしんどいからだ。コメディ寄りにすることによりアニメ全体に良い軽さが出て観やすくなっている。

 

ジャンルとしては「ハートフルコメディ」だが、退屈ではない

この「ハートフルコメディ」というジャンルは曲者だと思っている。ハートフル=退屈、という持論を持っているので、今までは敬遠していたジャンルである。実際、本作では所謂”悪者”はおらず、かき乱すものもいない。おそらく学生の頃にこのアニメを観ていたら、特に思うところも無く”退屈”と感じていたかもしれない(たぶん、何も起きない現実に退屈をしているので、アニメでは「何か」を求めているのだろう)。ただ、社会人になると、もはや仕事でもプライベートでもいろいろ起きるので、「何か」はそれほど求めておらず、「ハートフルコメディ」が趣向に合ってくるのだろうと思われる。

 

かといって、ストーリーの揺さぶりが最後まで無かったのは物足りないか

案の定、最後は主人公が島を離れたり戻ったりとかするのだが、クライマックスまでストーリーの大きな揺さぶりは無く、全話通常運転で終わってしまった。これもこれで、物語を全く重くしないという方針だと思うが、もう少し重さがあっても印象に残って良かったのではないかなとも思う。

 

本作、原作も完結しており、アニメ自体も1クールでうまく着地していたため、おそらく二期は無いだろう。ただ、「はんだくん」という主人公の高校生時代を描いたスピンオフ作品があるらしい。今度観てみよう。